梅窓院でザ・ジャガーズのリーダー、宮ユキオさんの告別式がしめやかに営まれた。親族や生前の仲間たちが弔問に訪れ、宮さんをしのんだ =東京・南青山【拡大】
1960年代に活躍したグループ・サウンズ(GS)の人気グループ、ザ・ジャガーズのドラムでリーダー、宮ユキオ(本名・田中稔=たなか・みのる)さんが先月29日に肺がんのため、都内の病院で死去したことが4日、分かった。75歳だった。
この日、東京・南青山の梅窓院で告別式が営まれ、親族ら約40人が参列した。関係者によると、宮さんは3年前に肺がんを発症し、放射線治療を受けながら入退院を繰り返していた。治療経過はよく、亡くなる2日前にあったときは元気だったという。
宮さんは67年にザ・ジャガーズでデビュー。デビュー曲「君に会いたい」が大ヒットし、GSブームの中心で活躍した。70年に1度芸能界を引退したが、東京・渋谷にパブレストランを経営しながら、81年にザ・ジャガーズを再結成。テレビ出演するなど活躍した。
弔問に訪れたギタリスト、寺内タケシ(74)は「かわいいやつだった。悪態をつくやつがいなくなって寂しいよ」とポツリ。宮さんとは5月25日に横浜市の神奈川県民ホールで行われた寺内のコンサートに宮さんが観客として訪れたのが最後で、「あの時は元気そうだったのに…」と唇をかみしめた。
戒名は、よき音楽を奏で、豊かに仏法の心を積み上げる意味を持つ「善楽稔豊信士(ぜんらくえんぽうしんじ)」。喪主を務めた一人息子の豊さん(47)は「僕の名の『豊』が戒名に入っているのは偶然です。でも、父から天国で見守られているようですね」としみじみ語った。
宮 ユキオ(みや・ゆきお)
本名・田中稔。1937年11月16日生まれ、横浜市出身。64年に「宮ユキオとザ・プレイ・ファイブ」を結成。67年6月に「ザ・ジャガーズ」と改名し、「君に会いたい」でデビュー。68年3月に脱退し、「宮ユキオとニュー・ジャガーズ」を結成するが、70年に解散。芸能界を引退し、東京・渋谷に飲食店「パブハウス宮」を開店(2005年閉店)。81年にザ・ジャガーズの再結成に参加し、09年にボーカル、岡本信さん(享年59)が風呂場で水死したことを機に活動を停止した。
(紙面から)