ダラス連銀総裁:債務問題抱えた米政府が景気回復の妨げに
11月4日(ブルームバーグ):米ダラス連銀のフィッシャー総裁は4日、財政問題をめぐる対立に伴い米政府が景気回復を抑圧する役割を演じているとの認識を示した。債券購入拡大が想定可能かとの問いには伝統的な金利政策に戻ることが急務だとの考えを示した。
同総裁はシドニーで講演し、自らについて「抑制のない歳出拡大の支持者ではない」と説明した上で、「過度の債務を抱えた米政府は手足を縛られ、刺激策を実施できないでいる。つまり、政府は反循環的、抑圧的な役割を演じている」と述べた。同総裁は講演での発言内容は自身の見解だと話した。
連邦予算をめぐる協議の行き詰まりで、米政府は先月、16日間にわたり一部機関の閉鎖を余儀なくされた。今週発表される米経済指標は、7-9月(第3四半期)の景気減速と10月の雇用者数は伸び鈍化を示す見込み。政府閉鎖前に景気拡大の勢いが弱まっていたことが判明するとみられる。
フィッシャー総裁は講演で「政府がきちんと行動できないことが米連邦準備制度の景気循環を支える役割を台無しにしている」と指摘。質疑応答で金融当局の債券購入が縮小ではなく拡大される状況を想定できるかと問われ、個人的見解として、連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシートが現在市場が予想している以上に拡大することは考えられないとし、「可能な限り早期に金利中心の金融政策に戻ることを重視する必要があると考えている」と述べた。
金利については「雇用を支えるというわれわれの責務を考慮すれば、インフレ率が2%未満という現行水準にとどまる限り、景気が加速するまで低金利を非常に長期にわたって維持するシナリオを想定できる」と言明した。
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更新日時: 2013/11/04 16:57 JST