憧れのシェアハウス、住んでみたらストレスだらけ

 この秋、放送1年を迎えたフジテレビの人気番組『テラスハウス』。毎週楽しみにしているという方も多いはず。かくいう筆者も絶賛ハマリ中です。

『テラスハウス』を知らないという方のために簡単にご説明しますと、シェアハウスで暮らす男女6人の生活を四六時中追ったリアリティ・ショー。昔でいう「あいのり」のシェアハウス版みたいな感じです。

 もちろん、リアリティ・ショーですから、台本はございません。若者たちのありのままの人間模様が見られるわけなんですが、これがまあ面白いんですね~。特にシェアハウス内の恋愛は、たまりません! くっついたり、別れたり、振ったり、振られたり。身悶えシーンが満載なんですよ。

傘がなくなるたびに険悪に



 ところが、実際に男女共同のシェアハウスに住んでいるというYさん(26歳・アパレル)は「実際に住んでみると大変」と言います。

シェアハウス,人間関係「私は60人規模の大型シェアハウスに住んでいますが、冷蔵庫に置いた自分の食料とか、傘とか、頻繁にモノがなくなります。誰かが勝手に持って行っちゃうんですよね。そのたびに、フェイスブックのグループ掲示板に『また傘がなくなりました。4本目です。使うのはいいけど、返して下さい』とか書かれるんです」

 Yさんいわく、「シェアハウスあるある」だそう。そのため、冷蔵庫には基本的に食べ物を置かない、傘はビニール製の安いものしか使わないということを徹底しているんだとか。

「うちは、キッチンとダイニングが共同スペースなんです。作った料理をみんなに見られちゃうので、手抜き料理とか恥ずかしくて作れません。誰かが凝った手料理を作るたびに『美味しそうー!』とか言い合うのも疲れるし、かなりストレスです」

 今では、ほとんど外食で済ませるため食費がかさんで仕方ないと嘆くYさん。

 また、シェアハウスは外国人の入居者も多いのだそう。Yさんの家にも40代前半くらいのアメリカ人男性が入居していたそうですが……。

「そのオジサン、いつも外部から彼女を連れてくるので、本当迷惑でしたね。テレビのある共同リビングを占領して、ひと目もはばからずイチャイチャ。自分の部屋に入っても声がデカいから、2人が何してるか丸聞こえですよ」

 結局、周囲から煙たがられるような存在になり、いつの間にかいなくなっていたそう。

別れた相手が家にいるストレス……



 ところで、シェアハウス内で、カップルが誕生することはあるんですか?

「シェアハウス内で付き合ってる人もいましたよ。でも、別れた後が大変そうでした。嫌でも家で顔を合わせるから、忘れたくても忘れられない。結局、しばらくして彼女のほうが家を出て行きました。入居して1年も経ってないのに、引越し代もったいないですよね」

 やはり、『テラスハウス』のように、何事もなかったかのように過ごすのは無理ですか……。そう考えると、すごいですよね、哲ちゃん(※「テラスハウス」メンバー)。一人暮らしよりも安心で経済的だという理由でシェアハウスに住んでいたYさんですが、ストレスフルな生活に疲れ、近々引越す予定だそうです。

 シェアハウスへの憧れはあるけれども、実際暮らすのは大変そうかも。大人しくお家で『テラスハウス』を楽しんでいようと思います。

<TEXT/齋藤ジョン市(清談社) PHOTO/Nikolai Sorokin>