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04 Nov 2013 13:14

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JASRACの使用料徴収は競争を妨害…高裁

読売新聞 11月1日(金)15時58分配信

JASRACの使用料徴収は競争を妨害…高裁

読売新聞

 テレビなどで放送される音楽の著作権使用料を巡り、日本音楽著作権協会(JASRAC)の使用料徴収の方式が独占禁止法違反に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁(飯村敏明裁判長)は1日、「JASRACは新規業者の参入を著しく困難にして自由競争を妨げている」と判断した。

 その上で、この方式を容認した公正取引委員会の審決を取り消し、同法違反に当たるかどうか改めて審理し直すことを求めた。

 公取委が「独禁法違反に当たらない」とした審決を裁判所が覆したのは初めて。公取委は上告を検討しているが、音楽の著作権管理事業を独占しているJASRACが徴収方式の見直しを迫られる可能性もある。

 原告は、2006年に新規参入した著作権管理会社「イーライセンス」(東京)。

 公取委は09年2月、JASRACが放送事業者との間で、曲の使用回数を問わず放送事業収入の1・5%を使用料として受け取る「包括徴収」の契約を結んでいるため、「新たな使用料を敬遠したテレビ局などが新規業者と契約しない」と認定。包括徴収が独禁法が禁止する「私的独占」に当たるとして、JASRACに同方式の廃止を求める排除措置命令を出した。

 しかし、これを不服としたJASRACからの審判申し立てを受け、公取委が12年6月、「証拠不十分」を理由に一転して命令を取り消す審決をしたため、イー社が同7月、審決の取り消しを求めて1審・東京高裁に提訴した。

 高裁判決は、民放のテレビ、ラジオ局の計13社が、使用料負担を軽減するため、イー社が管理する楽曲は使わないとの社内向け文書などを作成していた点などを重視。「包括徴収には新規業者を排除する効果があり、審決の判断は誤り」と指摘した。

最終更新:11月1日(金)15時58分

読売新聞