2013年11月4日19時55分
【ソウル=中野晃】1980年代の韓国の軍政下で「北朝鮮のスパイだ」として不法に拘束、収監され、再審で無罪が確定した在日韓国人と家族らが国家賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は「身体の自由などを違法に侵害した」として韓国政府に約29億2千万ウォン(約2・7億円)を支払うよう命じる判決を出した。
判決は10月23日付。男性は韓国の大企業で働いていた81年、軍保安司令部に突然連行され、激しい拷問を受けた。「北朝鮮のスパイ」として死刑判決に。後に無期懲役となったが、仮釈放されるまで約15年間収監された。昨年、再審での無罪が大法院(最高裁)で確定した。
判決は「不法な拘束から無罪判決まで約30年間、家族を含めて精神的、身体的、経済的に極度の苦痛を受けた」と指摘。そのまま大企業に勤務していた場合に得られたであろう収入も考慮し、賠償額を決めた。
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朝日新聞国際報道部
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