Updated: Tokyo  2013/11/04 20:49  |  New York  2013/11/04 06:49  |  London  2013/11/04 11:49
 

11月1日の海外株式・債券・為替・商品市場 (訂正)

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(欧州株と欧州債を訂正します)

(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロが5日続落、ECBの利下げ観測

1日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで5日続落。ユーロ圏で景気減速の兆候が示され、欧州中央銀行(ECB)が来週にも利下げする可能性があるとの見方が強まった。

ユーロは週間ベースで2012年7月以来で最大の下げ。前日発表された統計によると、ユーロ圏のインフレは10月に予想外の減速、9月の失業率は過去最悪となった。 ドルは対主要16通貨のうち14通貨で上昇。米国の製造業景況指数は2年ぶりの高水準に上昇した。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替戦略責任者、カミラ・サットン氏(トロント在勤)はECBは「11月7日の会合後に発表する金融政策は一段とハト派的になるだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは0.7%下げて1ユーロ=1.3487ドル。週間ベースでは2.3%安と、2012年7月6日終了週以降で最大の下げだった。一時は1.3480ドルと、50日移動平均の1.3487ドルを下回った。ユーロは対円では前日比0.4%安の1ユーロ=133円08銭。円は対ドルで0.3%安の1ドル=98円67銭。

JPモルガンG7ボラティリティ指数は8.12%と、10月15日以来の高水準に上昇した。28日には7.48%と、今年に入ってからの最低をつけていた。年初来の平均は9.37%となっている。

ISMの製造業景況指数

米供給管理協会(ISM)の発表 によると、10月の製造業総合景況指数は56.4と、2011年4月以来の最高だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月29-30日に開催した定例会合後に声明を発表し、毎月850億ドルの債券購入ペースを維持する方針を示した。景気回復が続くことを示すさらなる証拠を待つ必要があると判断した。

ブルームバーグ米ドル指数 は6日続伸し、0.4%上昇の1015.69。一時は9月18日以来で最高となる1016.58をつけた場面もあった。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が前日発表した10月のユーロ圏消費者物価指数 (速報値)は前年同月比0.7%上昇。9月のインフレ率は1.1%。ユーロスタットが発表した9月のユーロ圏失業率は12.2%と、過去最悪だった。

利下げ予想

バンク・オブ・アメリカ(BOA)、UBS、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)グループはそれぞれ、ECBが7日の会合で利下げを実施するとみている。BNPパリバやソシエテ・ジェネラル、JPモルガン・チェースなどは12月の利下げを見込んでいる。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)の外国為替戦略の責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロンドン在勤)はユーロが1ユーロ=1.3450-1.3470ドルの下値支持線を模索すると予想した。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロは今週1%下落。構成する先進国10通貨のうち、スウェーデン・クローナに次ぐ悪いパフォーマンスだった。一方、ドルは1.6%高、円は0.1%上昇した。

原題:Euro Weakens for Fifth Day on Bets ECB to Cut Rates; RandDrops(抜粋)

◎米国株:反発、製造業指数の上昇や企業決算を材料視

米株式相場 は反発。経済指標の改善を背景に緩和縮小が懸念された一方で、企業業績に対する楽観が強まった。S&P500種株価指数は前日までの2日間、3週間ぶりに続落していた。

太陽光発電パネルメーカーのファースト・ソーラーは急伸。同社の7-9月(第3四半期)決算は利益がほぼ倍増した。一方、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は下落。損保部門の保険料収入の減少が嫌気された。シェブロンも安い。同社の7-9月決算は製油マージの低迷が影響し、利益が予想を下回った。

S&P500種株価指数 は前日比5.10ポイント(0.3%)高の1761.64で終了。一時は0.2%下落する場面もあった。週間ベースでは0.1%高で4週連続上昇。ダウ工業株30種平均はこの日、69.80ドル(0.5%)上げて15615.55ドルで終えた。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチャード・シーシェル氏は電話インタビューで、「企業決算が市場を動かしており、決算はこれまでのところ良好だ」と指摘。「経済成長は緩やかだが、正しい方向に進んでいる。株式市場の動きは株が最善の投資先であるこを間違いなく示しており、この状況は政治の動向にも関わらず継続する可能性がある」と述べた。

ブルームバーグのデータ によると、S&P500種構成銘柄でこれまでに7-9月期決算を発表した368社のうち75%がアナリスト予想を上回る利益となった。売上高が予想を上回ったのは53%だった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、同株価指数構成銘柄の7-9月期の利益は4.1%、売上高は2.9%それぞれ増加の見通し。

経済指標

株価はこの日、一時下落する場面もあった。製造業指数が改善を示したことから、米連邦公開市場委員会(FOMC)が予想よりも早期に緩和縮小に踏み切るとの懸念が強まった。

米供給管理協会(ISM)の発表によると、10月の製造業総合景況指数は市場予想を上回った。中国の製造業活動を示す政府の指数も10月に上昇し、市場予想を上回った。

ペン・キャピタル・マネジメントのリサーチディレクター兼運用担当者、エリック・グリーン氏は電話インタビューで「経済指標が改善しつつあり、緩和縮小が12月に始まるかもしれないとの警戒があるのは明らかだ」と話した。

この日はS&P500種の業種別10指数中、7指数が上昇。工業や公益株の上げが目立った。ボーイングは1.9%高と、ダウ30種平均の値上がり率トップ。上場来高値を更新した。

ファースト・ソーラーは18%上昇。純利益は1億9500万ドル(1株当たり1.94ドル)と前年同期の8790万ドル(同1ドル)から増加した。アナリストの予想平均は1株利益83セントだった。

シェブロンやAIGは安い

シェブロンは1.6%安。7-9月期決算は製油マージンが大幅に落ち込んだ。

AIG は6.5%安。7-9月(第3四半期)の損保部門の保険料収入は前年同期比3.7%減の84億3000万ドル。純利益は21億7000万ドル(1株当たり1.46ドル)と、前年同期の18億6000万ドル(同1.13ドル)から増加した。

原題:U.S. Stocks Gain Amid Improving Factory Data, CorporateEarnings(抜粋)

◎米国債:10年債利回りが3週ぶり高水準-製造業指数で

米国債市場では10年債利回りが3週間ぶり高水準に上昇。米製造業の拡大ペースが市場予想を上回ったことから、金融当局が緩和策を維持するとの見方が後退した。

10年債 相場は3週間ぶりとなる5日続落。セントルイス連銀のブラード総裁は、2012年以降に見られる労働市場の改善が債券購入規模の縮小を正当化し得るとの認識を示した。連邦公開市場委員会(FOMC)は10月30日発表の声明で、債券購入ペースを維持する方針を示した一方、経済の底堅さも指摘した。

キャボット・マネー・マネジメント(マサチューセッツ州セーラム)の債券ポートフォリオマネジャー、ウィリアム・ラーキン氏は電話取材で、「米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数は若干力強かった。よって緩和縮小の懸念が再燃し、利回りは上昇し始める」と指摘。「金融当局中心の相場環境になっている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.62%。一時2.63%と、10月17日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は1/2下げて9831/32。利回りは今週は11bp上昇した。

グロース氏の助言

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏はツイッターへの投稿で、「短期債の選好を続けるべきだ」とし、「緩和縮小はあるかもしれないが、政策金利の引き上げは別の問題だ」と続けた。

金融当局はフェデラルファンド(FF )金利の誘導目標を2008年12月以降、0-0.25%の範囲で据え置いている。今週発表のFOMC声明によれば、当局による債券購入の内訳は引き続き、住宅ローン担保証券が400億ドル、米財務省証券が450億ドルとなる。

総裁は1日、セントルイスで講演。「労働市場の情勢を表す2つの重要な指標である失業率と非農業部門雇用者数が、過去1年間にはっきりと改善を示してきている」と指摘。「これは縮小の正当性を裏付ける最も説得力のある根拠になる」と述べた。

2012年9月に7.8%だった失業率 は直近では7.2%に低下。非農業部門雇用者数の過去1年間の増加幅は月平均18万5420人。それ以前の半年間は月平均13万人増だった。

緩和縮小の時期見通し

ブルームバーグが今月17-18日に実施したアナリスト調査では、債券購入の縮小開始は3月会合になると見込まれている。FOMCは次回12月17-18日に会合を開く。

RBCキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、ジェーコブ・オウビナ氏は「当社は4月縮小を予想している」とし、「データの約65%が市場予想を下回っている。当社は金融当局が年内に縮小を開始するとは考えていない」と続けた。

ISMの発表によると、10月の製造業総合景況指数は56.4と、2011年4月以来の最高だった。前月は56.2だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。これに反応し、米国債は下げを拡大した。

原題:Treasury 10-Year Yields Highest in 3 Weeks After FactoryReport(抜粋)

◎NY金:続落、2週間ぶり安値-米経済指標受け緩和縮小観測

ニューヨーク金先物相場は続落。2週間ぶりの安値となった。市場予想を上回る10月の米ISM製造業景況指数を受けてドルが上昇し、緩和縮小観測が強まったことが背景。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「緩和縮小に関する不安が高まっている」と指摘。「ISM製造業の数字はその不安を決定的にした」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.8%安の1オンス=1313.20ドルで終了。一時は1305.60ドルと、中心限月としては先月17日以来の安値をつけた。週間ベースでは2.9%下落。

原題:Gold Falls to Two-Week Low on U.S. Factory Data, StimulusBets(抜粋)

◎NY原油:6月以来で初の95ドル割れー在庫増とドル高で

ニューヨーク原油先物相場は4日続落。6月以来で初めて1バレル=95ドルを下回った。今週発表された統計で在庫が増加したことが引き続き売りを誘った。ドルが対ユーロで上昇し、商品全般に需要が弱まったことも背景にある。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケットアナリスト、フィル・フリン氏は「供給要因が他の全てに勝っている。原油の供給は潤沢にあり、相場は急落モードにある。欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏み切るとの予想を背景にドルが対ユーロで上昇していることも、原油の売り要因だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前日比1.77ドル(1.8%)安の1バレル=94.61ドルで終了。終値としては6月21日以来の安値となった。週間では3.3%安。

原題:WTI Crude Falls Below $95 First Time Since June on SupplySurge(抜粋)

◎欧州株:下落、業績懸念でRBSとルノー安い-週間では上昇

1日の欧州株式相場は下落。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)とルノーの下げが目立った。指標のストックス欧州600指数は週間ベースではプラスとなった。

英銀RBSは7.5%安。同行は資産圧縮に伴い通期は「大幅赤字となる」との見通しを示した。フランスの自動車メーカー、ルノーは5%下げた。資本・業務提携関係にある日産自動車が今期(2014年3月期)の純利益予想を下方修正したことが嫌気された。一方、英携帯電話サービスのボーダフォン・グループは12年半ぶりの高値を付けた。同社買収の可能性を米AT&Tが模索していると、事情に詳しい関係者が明らかにした。

ストックス欧州600指数 は前日比0.3%安の321.5で終了。前週末比では0.4%上昇。前日には2008年5月以来の高値を付けた。米金融当局は今週、債券購入プログラムの縮小を見送っている。

ド・ピュリ・ピクテ・トゥレッティニの欧州株式アナリスト(ジュネーブ在勤)、カリム・ベルトーに氏は電話インタビューで、「相場が高値を付けた後で、一服する必要がある」とし、「再び上昇するまで数週間にわたりやや下げる可能性がある。最近のデータは世界経済の改善が緩慢で急回復ではないことを示唆している」と語った。

1日の西欧市場では、取引のあった16カ国中11カ国で主要株価指数が下落。オーストリアとルクセンブルクは祝日のため休場だった。

原題:European Stocks Drop, Paring Fourth Weekly Advance forStoxx 600(抜粋)

◎欧州債:イタリア債上昇、利下げ観測で-ギリシャ債も上げる

1日の欧州債市場ではイタリア国債が上昇し、10年債利回りは6月以来の低水準となった。欧州中央銀行(ECB)が早ければ来週の会合で利下げを実施するとの観測が強まった。

スペイン国債は続伸。前日発表された10月のユーロ圏インフレ率が2009年以来の低水準となったことを背景に、バンク・オブ・アメリカ(BOA)やUBS、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)はいずれもECBが今月利下げすると予想。ギリシャ10年債利回りは低下し、10年6月以来で初めて8%を下回る水準となった。ドラギ総裁率いるECBが景気支援を目的に長期リファイナンシングオペ(LTRO)を追加実施するとの見方が広がった。 

HSBCホールディングスのグローバル債券調査部門責任者、スティーブン・メジャー氏は「インフレ統計で、利下げと新たなLTRO実施の見通しが高まった」と指摘し、「来週ではないかもしれないが、双方の措置がいずれ講じられる公算は大きい。ECBが11月会合で行動した場合はやや性急と見なされ、ドラギ総裁はこれまでECBが景気回復について行ってきた言及の一部を多少修正する必要に迫られるかもしれない」と続けた。

ロンドン時間午後4時49分現在、イタリア10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.09%。5月29日以来の低水準となる4.08%まで下げる場面もあった。同国債(表面利率4.5%、2024年3月償還)価格は0.37上げ103.795。

ギリシャ10年債利回りは一時18bp低下し7.90%と、2010年6月2日以降の最低となった。同利回りは12年3月に44.21%に達していた。

ドイツ10年債利回りは2bp上昇の1.69%。2年債利回りはほぼ横ばいの0.11%。一時は0.087%まで下げ、7月22日以来の低水準を付けた。

英国債相場は続落。この日発表された経済指標で、10月の英製造業活動が7カ月連続の拡大を示したことが手掛かり。

英10年債利回りは前日比3bp上げ2.65%。前週末比では4bp上昇した。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日、0.28下げて96.55。

原題:Italian Bonds Rise on Rate-Cut Bets; Greek Yield DropsBelow 8%(抜粋)Pound Weakens Versus Dollar on Speculation Fed to Taper Stimulus(抜粋)

更新日時: 2013/11/04 13:51 JST

 
 
 
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