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北方四島 増える外国客 ビジネス・観光100人以上 日本人も

(11/04 06:30)

国後島を訪れた中国の水産会社社長(後列右から2人目)らと記念撮影する地元の人たち=6月、国後島民提供

国後島を訪れた中国の水産会社社長(後列右から2人目)らと記念撮影する地元の人たち=6月、国後島民提供

 【ユジノサハリンスク相内亮】北方領土には今季、多くの外国人がロシア政府が発行する査証(ビザ)を取得して島に入った。日本政府の立場と相いれない行為だが、ビジネス目的の来訪者が目立ち、その中には日本人や米国人もいる。

 ロシア当局は北方領土に入った外国人の数を明らかにしていないが、北海道新聞が今季北方領土入りを把握できた外国人は択捉島が韓国が数人(3月)、米国6人(8月)、日本4人(9月)。国後島は中国5人(6月)、欧州のラトビア12人(7月)とスロベニア2人(9月)、フランス1人(10月)、日本2人(同)。

 このほか北朝鮮や中央アジアのタジキスタン、キルギスなどから択捉、国後、色丹の水産工場や土木建設工事現場に出稼ぎに来た労働者が各島にそれぞれ20〜30人規模でおり、全体では100人超となった。実際はさらに多いのは確実だ。

 択捉島に入った日本人は東京の商社の社長らで、同島の水産・建設会社を視察。社長は北海道新聞の取材に「数年前から魚卵などを輸入している。最近日本ではトレーサビリティー(生産履歴)への関心が高く、取引先から『生産現場を見てきてほしい』という要望が強かったので初めて島を訪れた」という。

 ロシアのビザで北方領土入りするのは、ロシアの主権を認めることになるとして日本外務省が自粛を求めていることに対しては「法に触れているわけではない」とした。<北海道新聞11月4日朝刊掲載>

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