仙台万歳！Ｋスタ隣接ＰＶに２万人「復興を象徴する勝利」…楽天初の日本一

ＰＶが行われた仙台市の陸上競技場を埋め尽くしたファンは、勝利の瞬間、大量の白いジェット風船を夜空に飛ばした

　プロ野球日本シリーズで楽天が３日、初の日本一を決め、本拠地の仙台市は街中が大フィーバーとなった。Ｋスタ宮城に隣接する仙台市陸上競技場はファンのために開放され、パブリック・ビューイング（ＰＶ）に約２万人の市民が詰め掛けた。市中心街では、歓喜のビール掛けを行う飲食店も。東日本大震災を乗り越えてつかみ取った喜びに深夜まで酔いしれた。

　杜（もり）の都の雨夜空に、勝利を祝う白いジェット風船が一斉に舞い上がった。前日のＰＶでは、Ｋスタ宮城正面広場ステージも１万人以上の人であふれてしまったため、特別に開放された陸上競技場。仙台市泉区の古川宣信さん（３６）は「震災からの復興を象徴する勝利です！　ヒール（悪役）として立ちはだかった巨人にも感謝したい」と雄たけびを上げた。

　夜の市内も活気づいた。星野仙一監督の大ファンで２８年前から「鮨仙一」を営む山田定雄さん（５７）は鏡割りをして、振る舞い酒でファンと喜びを分かち合った。「チームができた９年前からこの瞬間を待っていました。震災の時には野球どころじゃなかったのに。たった３年後によくここまで…」と感極まった。日本一に先立って１週間前からランチにぎりの「１００１（せんいち）円セット」のセールを期間限定で開始。アワビやマダイなど三陸産の高級魚介を低価格で提供している。

　今年２月に引退した元楽天外野手の中村真人さん（３１）が仙台市内で営むスポーツバー「ｈａｕｎｔ」は約１００人のファンであふれ、ビール掛けが行われた。中村さんは「まずはありがとう、と言いたいです。同じ釜の飯を食った仲間が仙台を盛り上げてくれたのは何よりうれしい。今季のチームは線でつながり一体となっているような強さがあったと思います」と振り返った。

　２４日には仙台市内で全選手が参加するパレードを開催予定。１０万人以上が集まると予想されている。メジャーリーグ挑戦も浮上する田中将大投手の雄姿が見られる最後となる可能性もある。陸上競技場で田中のレプリカユニホームを着て応援していた白石市の堀内美和さん（３１）は「ファンとしては、あと１年楽天でプレーして、連覇してから旅立ってほしい」と願っていた。

（2013年11月4日06時05分スポーツ報知）