極真会館の空手日本一を決める無差別級トーナメント「全日本空手道選手権」決勝大会が3日、東京体育館で開催され、4年ぶりに日本勢が王座の奪還に成功した。
ようやく日本が意地をみせた。大役を果たしたのは伏兵の安島喬平(24)だ。安島は準決勝でロシアのキリル・コチュネフ(23)と対戦。2度の延長戦、体重判定でも勝敗がつかず、試し割りによる決着(17枚対15枚)で辛くも突破を決めた。
そして決勝では昨年覇者のアレハンドロ・ナヴァロ(37=スペイン)と激突。2分間の延長戦で後ろ蹴りを命中させると、最後まで突きを連打して判定5―0の大差で下した。仲間たちに胴上げされ、安島は歓喜の涙を流した。
安島は2年前の体重別の全日本大会・軽重量級に優勝してから低迷。日本のエースが背負うゼッケン「1」とも無縁の「25」で、期待が大きかったとはいえない。そんな中での栄冠奪取。安島は「悔しい思いもして辞めようかなとも思った。でも、自分が輝ける舞台は極真だと思っています」と喜びを爆発させた。
ただ、本人も「運もあった」と振り返るように、エースの荒田昇毅(26)が大会前の練習中に右腕を骨折して欠場。昨年準Vのゴデルジ・カパナーゼ(27=ロシア)もドクターストップで不参加だった。
松井章圭館長(50)は「安島君は耐久力が強み。全日本王者=世界王者かというと頼りないところもある」とあえて苦言も呈した。
それでも2年後に控える世界大会に向け、明るい材料もあった。高校生王者の上田幹雄(18)が中量級の世界大会2連覇中の森善十朗(28)を4回戦で撃破。7位に入り、技能賞と新人賞を獲得した。上田は「森さんに勝つのも目標でしたけど、まだ経験不足」と貪欲だ。松井館長も「世界大会の日本人選手団の中心になるのでは?」とホープに期待を寄せた。
息を吹き返した日本勢が活気づいてきた。
一宮競輪開場63周年記念(GⅢ・毛織王冠争奪戦)は29日、決勝が行われ、関東3番手にいた長塚智広が、猛然と迫ってきた浅井康太に伸び勝って優勝を手にした。