韓国TV番組「偏向内容」放送で 嘉義県長らが不満表明/台湾

【社会】 2013/11/01 18:54

(台北 1日 中央社)嘉義県の張花冠県長(=写真前列左4)はきょう、韓国のテレビ番組が台湾の養殖魚・ティラピアに関して事実とは異なった報道をし、生産者らの生計に影響を与えたとして、政府に対して韓国への抗議を要求した。また、外交部も事態を注視しているとして、駐韓代表処を通じて対応をすると発表した。

嘉義県政府によると、韓国のテレビ番組「食べ物Xファイル」が10月25日に台湾のティラピアに関する内容を放送、その中で養殖場の環境が劣悪で、台湾プラスチックの六軽工場(雲林県麦寮郷)にも近く、さらに抗生物質を大量投与しているなどと示唆しており、韓国の視聴者の誤解を招いたとしている。張県長は「すでに産地価格に大きな影響が出ている」とし、きょう県議員らとともに生産地である東石を訪れ、「韓国製品をボイコット、韓国ドラマは見ないぞ」と声をあげた。

台湾のティラピアは「台湾鯛」という名称で海外輸出に力をそそいでおり、実際に6割以上が外国に向け出荷されている。嘉義県の養殖面積は1300ヘクタールで、国内第2位の産地。県議員によると、今年初めにティラピアの価格が下落した際、韓国の業者が買い占めに来たといい、最近になり値段が安定してきたことから「韓国は悪意を持った手口で産地価格を抑えようとしているのではないか」と指摘する。

また、これを受けて外交部は、放送後から韓国との貿易に影響が出ていると認めた上で、今後の展開に注視するとしたほか、駐韓代表処を通じて適時説明を行い、番組に対しても事実と異なる内容について訂正を行うよう要求するとしている。一方で、農業委員会の漁業署にも関係資料を要請し、説明に役立てるとしている。

(黄国芳、蔡和穎/編集:齊藤啓介)