■「修行で、放射線被害は乗り越えられる!」
――ヴァジラハーサ師
既にご存じのように、3月11日の東北地方太平洋沖地震、およびそれに伴って発生した巨大津波により、福島第一・第二原子力発電所が大きな被害を受けました。 ・室内に外気を取り入れないように、窓を閉めたり換気扇を閉じたりする などといった対策が必要になってきます。 |
ヴァジラハーサ師: 放射線への対応策としては、二つの切り口があります。
一つは、放射線による健康被害を未然に防ぐという側面で、もう一つは、放射線による健康被害が既に生じてしまった場合の対応策です。
そして、このいずれの場合においても、修行は大変効果的であることを、以下、お話ししたいと思います。
●健康被害を未然に防ぐ――ヴィヤーナ気の強化
まず一点目の、放射線による健康被害を未然に防ぐということですけれども、これについては、身体のヴィヤーナ気を強めることによって対応できると思います。
ヴィヤーナ気というのは、わたしたちの体全体を覆っているエネルギーのことで、肉体を守る働きをしています。一般には「オーラ」と呼ばれているものですね。
ですから、このヴィヤーナ気を強めることができれば、わたしたちの肉体が放射線から守られる可能性は高まる、ということが言えると思います。
このヴィヤーナ気を強める修行としては、肉体を使った行法全般があります。
例えば、アーサナ(体位法)やウインド・トレーニング(独自の気功法)、あるいは、ムドラー(霊的覚醒の技法)などの修行がそれに当たりますので、それらをしっかりと行なうことによって、十分な備えができるということです。
●健康被害が既に生じている場合の対応策〈その一〉
次に、二点目の、既に生じてしまった放射線による健康被害について、考えてみたいと思います。
この放射線による健康被害というのは、症状としては次の二種類があります。
一、被爆後二、三週間以内に出る急性の症状
二、数カ月から数年以上経ってから出る症状
では初めに、一のケースから説明することにしましょう。
○骨髄機能を活性化させる――クンダリニーを上昇させる修行
被爆後二、三週間以内に出てくる症状としては、免疫力の低下や貧血、出血といったものが挙げられます。
なぜこういう現象が起きるのかというと、それは一つには、背骨の中にある骨髄が被爆によってダメージを受けるからにほかなりません。
骨髄には、赤血球や白血球を造る機能があるわけですが、この機能が損なわれることによって、免疫機能を司っている白血球が減ることで免疫力が低下したり、赤血球が減ることで貧血になったり、ということになるわけです。
これに対しては、骨髄機能を活性化させるための修行が有効になると考えられます。
ALEPHには、クンダリニー・ヨーガの修行があり、これは、背骨を通って上昇するクンダリニー(霊的エネルギー)を活性化しますので、この修行をしっかりと行なうならば、骨髄機能の低下に対して、ある一定の効果は期待できるのではないかと思います。
要するに、クンダリニー・エネルギーを上昇させる修行を行なうということですね。
○免疫力を高める(1)――トゥモの修行/火元素の強化
次に、上述したこととも関係しますが、“免疫力の低下”に焦点を当てて、対応策を考えてみることにしましょう。
まず、免疫力と体温とは、非常に深い関係があります。つまり、体温が低下すると免疫力が落ち、逆に、体温が上昇すると免疫力が高まるわけです。
例えば、わたしたちが風邪を引いたり、もしくはインフルエンザ等の感染症にかかったときに、いわゆる“熱が出る”わけですけれども、これは、免疫力を高めるための身体的な反応なんですね。
ですから、体温を意図的に高めることができるようになるなら、それだけ免疫力を高めることができることになります。
そのための修行法としては、トゥモ(熱のヨーガ、体内で高熱を発生させること)の修行が挙げられるでしょう。
もしくは、体温を意図的に上昇させるところまでは至らないとしても、その前段階である火元素の強化がなされるならば、それによっても、ある程度の免疫力の向上を期待することができると思います。
トゥモの修行や火元素を強める修行としては、ヴァヤヴィヤ・クンバカ・プラーナーヤーマやアパンクリヤ(いずれも高度な調気法の一種)などの行法のほか、特殊な瞑想法などがあります。
ガージャ・カラニー(胃を洗浄する技法)をはじめとする浄化法や、性エネルギーの保全、少食の実践等も、効果的であることは言うまでもありません。
○免疫力を高める(2)――ストレスの昇華/煩悩捨断
また、免疫力と深く関わる身体の部位に、胸腺(きょうせん)があります。
胸腺は、ちょうどアナハタ・チャクラの位置にあるわけですが、それが十分機能を発揮することができるなら、わたしたちは、免疫力を向上させることができます。
この胸腺は、実は、ストレスに非常に弱いことが知られています。ストレスが強く掛かってしまうと、胸腺は萎縮して縮んでしまい、それにより機能低下を起こすと。
ですから、そうならないようにするためには、ストレスに対して正しく対応すればいいわけです。
これについては、クンダリニー・ヨーガ的な技法によって、ストレスのエネルギーを昇華させてしまう方法と、もう一つは、煩悩捨断(ぼんのうしゃだん)を行なう方法があります。
なぜ煩悩捨断が必要かというと、煩悩(欲求)とそれを満たせない現実とのギャップから、わたしたちはストレスを生じさせることになるからです。
ですから、この煩悩を捨断する、あるいはエゴを捨断することによって、ストレスから解放されることになるわけです。
したがって、ストレスを解消して胸腺の働きを活性化させるためには、クンダリニー・ヨーガ的な技法、および煩悩捨断的な技法の二つが、大変効果的な修行になります。
また、免疫力を高める三つ目として、先程述べた骨髄機能の活性化がありますが、これについては、既に述べたとおりです。
○血液の生成能力の低下を防ぐ――水元素の保全・強化
あともう一つ、被爆後二、三週間以内に現われる症状として、先程述べたように、血液の生成能力の低下があります。
これに関しては、骨髄機能の活性化に加え、水元素の保全および強化が挙げられると思います。
具体的には、性欲の捨断によって水元素の保全をなし、そして、小乗のツァンダリーと呼ばれる特殊な瞑想法によって、水元素の強化を図ることになります。
以上が、短期間における症状に対する対応です。
●健康被害が既に生じている場合の対応策〈その二〉
○癌を未然に防ぐ――貪り捨断/免疫力の強化
次に、被爆後数カ月から数年経った後に現われる症状への対応策について、見ていきましょう。
まず、このときに出る症状としては、白血病や甲状腺癌(こうじょうせんがん)などがあります。
これに対しては、修行によって癌を未然に防ぐことも可能である、ということが言えます(白血病も「血液の癌」といわれています)。
具体的には、貪りの捨断と免疫力を高めることによって、癌が抑えられることになります。
貪りの捨断としては、お布施の実践やザンゲの瞑想などがあり、また、免疫力を高める方法としては、先に述べた各種修行法が有効です。
●危機に備え、日々の生活に修行を取り入れよう
このように、修行は、放射線障害の中でも、“即死する”もしくは“即死に近い状態で死に至る”といった重篤なケースでない限りは、その対策として非常に有効ということが言えます。
以上、放射線対策について、わたしたちの肉体を保全するという観点から、どのような修行が効果的かを簡単にご紹介しました。
もちろん、修行の世界はもっと奥が深く、「サマディ」と呼ばれる瞑想の究極状態に入ることで、放射線の被害を受けなくするという道や、被爆によって肉体に影響が出だした場合に、「変化身(へんげしん)」と呼ばれる異次元の身体(アストラル・ボディー)に意識を移し替えて、アストラル世界で生きる、あるいは望むなら、そこからまたこの世界に肉体を持って生まれ変わってくる、といった道などが存在しています。
放射線による健康被害は、現実問題として、わたしたちに迫ってきています。
皆さんも、これを機に、日々の生活にぜひ修行を取り入れられ、その危機に十分に備えていただければ幸いです。