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感謝しかない 東北楽天ファン感涙

日本シリーズ初制覇に涙と笑いが入り交じった楽天ファン=3日午後10時ごろ、仙台市陸上競技場

東北楽天の日本一を万歳で喜び合う住民

東北楽天の日本一を祝うくす玉が割られた=宮城野区榴岡

東北楽天の日本シリーズ初優勝を伝える号外に群がる市民

 プロ野球の東北楽天は3日、日本シリーズ第7戦で巨人に3−0で勝ち、球団史上初の日本一に輝いた。仙台市宮城野区の日本製紙クリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)隣の市陸上競技場では、集まったファンが悲願達成の喜びに酔いしれた。
 パブリックビューイング(PV)会場は前日まで、Kスタ宮城正面広場だったが、予想以上のファンが押し寄せたため市陸上競技場に変更。フィールド部分を埋め尽くした多くのファンが勝利の瞬間を見守った。
 九回、リリーフに田中将大投手が登場すると、会場からは地鳴りのような歓声が上がった。最後の打者から三振を奪うと、ファン同士で抱き合ったり、「日本一」と書かれたプラカードを持って飛び上がったりするなど、喜びを爆発させた。
 伊達市の専門学校生高木成晃さん(28)は「震災、福島第1原発事故など苦しいことばかりだったが、楽天から元気をもらうことができた。『感謝』しか言葉が見つからない」と喜んでいた。
 石巻市の高校2年尾崎由羽さん(16)は「最初から最後までドキドキだったけど、必ず抑えてくれると信じていた。芝生の上での応援はとても盛り上がった」と話した。
 太白区の会社員伊藤裕之さん(54)は「勝ったのが信じられない。この優勝で仙台がますます元気になることを願う」と興奮気味に語った。

<仮設住民らに勇気 仙台・あすと長町>
 プロ野球東北楽天の日本シリーズ初制覇が決まった3日夜、仙台市内で暮らす東日本大震災の被災者からも喜びの声が上がった。
 太白区のあすと長町仮設住宅では、住民約20人が集会所でテレビ観戦した。両手にメガホンを持ち、「頑張れ、頑張れ」と声援を送った。
 田中将大投手が九回を締めると、万歳で勝利を祝った。無職大友真次さん(81)は「待ちに待った優勝に感激。銀次ら無名だった選手の成長が大きかった」と星野仙一監督の手腕を評価した。
 試合後、監督の勝利インタビューが流れると「ありがとう」と涙ぐむ住民も。高校技師赤間賢二さん(70)は「東北の被災者に勇気を与える価値ある優勝だ」と語った。

<歓喜の美酒に酔う 仙台駅東口の酒店>
 仙台市宮城野区のJR仙台駅東口の酒店には3日、約120人のファンが集まり、東北楽天の日本一を喜び合った。
 店内に設置された3台のテレビを前に、ファンが声援を送った。九回表に田中将大投手がマウンドに上がると、ボルテージは最高潮に。日本一が決まった瞬間、一斉に両手を挙げて飛び上がり、抱き合って栄光を祝した。鏡開きでは楽天コールが鳴りやまなかった。
 妊娠5カ月という太白区の会社員遊佐千慈さん(34)は「今度は親子で応援したい」とハンカチで目頭を押さえた。宮城野区の会社員桜井康治さん(42)は「みんなの魂で勝ち取った日本一だ」と男泣きした。
 イベントを主催した仙台駅東口商工事業協同組合専務理事の桜井栄太郎さん(50)は「晴れ晴れとした気分。応援し続けてきてよかった」と笑顔を見せた。

<仙台駅前で号外を配布 河北新報社>
 プロ野球東北楽天が初の日本一に輝いたことを受けて、河北新報社は3日、号外を発行し、仙台市青葉区のJR仙台駅前で、午後11時ごろから配布した。
 地元球団の快挙を「東北楽天日本一 最終戦巨人下す」の大見出しで伝える号外が配られると、通行人は次々と足を止めて紙面に見入った。号外を持って記念撮影したり、その場で万歳をしたりする人もいた。
 球団創設時からのファンという太白区の会社員佐藤新二さん(50)は「9年でここまでの高みに登れるとは思っていなかったので感無量。東北に勇気を届けてくれた選手、監督に『ありがとう、お疲れさん』と言いたい」と話した。


2013年11月04日月曜日

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