表彰される星野監督(手前左)を見つめる原監督(潟沼義樹撮影)
|
 |
◇日本シリーズ第7戦 楽天3−0巨人
頂点にあと1勝、足りなかった。V9以来の2年連続日本一という巨人の夢は仙台の雨空に消えた。原監督が「世紀の一戦」と称した7戦目は屈辱の零封負け。2死一、三塁まで攻め込んだ9回も田中の前に力尽きた。ナインは歓喜に沸く楽天のV戦士たちを悔しげに見つめ続けた。
「力を出し切って、こういう結果になった。全力で」。試合後の原監督は静かに試合を振り返った。目標を達成できなかった悔しさは胸にしまった。「全力で戦って、結果的に日本一の座を譲った。心よりおめでとうございますというところです」。7戦を戦ったライバルを素直に祝福した。
打撃不振を最後まで克服できなかった。この日も5安打に終わり、全7戦のチーム打率は1割8分2厘。9分1厘に終わった阿部、2割に留まった坂本を筆頭に、ペナントレースで見せ続けた厚みのある攻撃を繰り出すことはできなかった。焦りが力みを生み、さらに打てなくなる悪循環。若い楽天の勢いにのみ込まれた。
「本当に力の無さを感じました。精神的なコントロールができるような対策が必要と感じた」と阿部。坂本も「この経験をしっかり生かせるようにしたい」と雪辱を誓った。原監督も「まだ途上のチームであると感じました。さらに上乗せをして、強いチームを目指します」。日本一奪回に向けた長き道のりが、今始まった。 (川越亮太)
この記事を印刷する