【カイロ秋山信一】世界で唯一、女性による車の運転が禁止されているサウジアラビアで、運転解禁を求める市民団体の設立メンバーの男性が治安当局に拘束されたことが分かった。拘束の経緯は不明だが、女性らが政府に抗議する目的で２６日に一斉運転を行ったことに対する取り締まりの一環だとみられる。首都リヤドなどで２６日に車を運転していた女性１４人が一時拘束されたことも判明し、活動家らは反発している。

　団体メンバーによると、男性は２７日に治安当局に拘束された。容疑は明らかにされていない。

　またリヤドやイスラム教の聖地メッカなどで２６日、車を運転していた女性１４人が治安当局に拘束されたという。保護者の男性が「二度と運転させない」との誓約書に署名することを条件に、１４人は釈放されたという。

　保守的なサウジでは、女性に運転免許を発行していない。市民団体は政府に抗議するため、海外で運転免許を取得した女性に対して、２６日に車を運転するよう呼びかけていた。政府は事前に「運転した女性は逮捕する」と警告していた。