名古屋グランパスは3日、静岡県磐田市のヤマハ大久保グラウンドで磐田と練習試合を行った。左サイドハーフで起用されたMFダニルソン(27)が先制点をお膳立て。新ポジションで上々のパフォーマンスを披露した。45分×3本で行われた試合は、控え組が出場して以降に逆転され1−3で敗れた。
ダニルソンが“新天地”でいきなり機能した。ハイライトは2本目、7分の得点シーン。左サイドからダニルソンが上げた高速クロスを中央のFWケネディが頭で落とし、走り込んだMF小川がゴールへたたき込んだ。
ダニルソンは「感触はよかった。このポジションで練習すれば、さらに改善できると思う」と手応えを口にした。
本来の守備的MFとして出場した10月27日の大宮戦では中央でボールを奪われる場面が目立った。元来、細かなテクニックより超人的な身体能力で勝負するタイプ。コンバートには、スペースがあるサイドの方が個性を生かせるという首脳陣の判断がある。
磐田戦では元日本代表DF駒野らマッチアップした相手をダニルソンが終始押し込んだ。ゴール前まで駆け上がり、たびたびシュートも放った。活発な左サイドに引っ張られるように、主力組は押し気味に試合を展開できた。
指揮を執ったジュロヴスキーヘッドコーチは「主力が出場していた時間帯はパーフェクト。ダニルソンのサイドはやっぱりいいアイデアだね」とご満悦。ゴールを挙げた小川も「ダニルソンなら独力でサイドを突破してクロスを上げられる」と新布陣を歓迎した。
「私はプロ。どんなポジションでもやってみせるさ」とダニルソン。残り4試合。新布陣がグランパスの最後の切り札となるか。 (木村尚公)
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