国際【鼓動】ソ連体制下で隠蔽され続けた「ウラルの核惨事」 住民汚染は黙殺 ロシア+(5/5ページ)(2013.5.12 12:00

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【鼓動】
ソ連体制下で隠蔽され続けた「ウラルの核惨事」 住民汚染は黙殺 ロシア

2013.5.12 12:00 (5/5ページ)鼓動
テチャ川の放射能汚染の実態を語るゴスマン・カビロフさん。一時期、川沿いには鉄条網がはられ、立ち入り禁止措置がとられた

テチャ川の放射能汚染の実態を語るゴスマン・カビロフさん。一時期、川沿いには鉄条網がはられ、立ち入り禁止措置がとられた

 オジョルスクの都市運営は実質的に、マヤークがなければ成り立たない。従業員の給与は平均より高く、街には医療施設や文化教育施設も充実している。

 マヤークではすでに兵器用プルトニウムの生産は中止されているが、現在はロシアで唯一の使用済み核燃料の再処理施設が稼働している。そのほかにも、この地域に新型原発や核医学の最先端センターを建設しようという構想もある。

 地元のある大学教授は「チェリャビンスクは事故が起こったとしても、世界でも有数の核の先進地域だ」と指摘する。しかし、ロシア国内では、チェリャビンスクの放射能汚染の実態はあまり知られていない。被害者の十分な補償もなおざりにされまま、チェリャビンスクの核開発の拠点化はさらに進もうとしている。

 ウラルの核惨事 1976年、ソ連から亡命した生物学者ジョレス・メドベージェフ氏が論文を発表。その実態が初めて明らかになった。マヤークの爆発事故は国際原子力事象評価尺度で福島第1原発やチェルノブイリ原発の事故に次ぐ「レベル6」。チェリャビンスク州はソ連の「原爆の父」とされる核物理学者のイーゴリ・クルチャトフ博士の故郷であり、マヤークをはじめとする核開発の中核施設が相次いで建設された。

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チェリャビンスク・核施設

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