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ソフトバンクの「つながりやすさ、No.1へ」に SNS からは厳しい声も
ソフトバンクモバイルが、2月末からテレビ CM やインターネット広告を中心にあるプロモーションを展開している。
「つながりやすさ、No.1へ」というキャッチコピーが大々的に打たれたこのプロモーション。同社が推進しているプラチナバンドの整備によって、同社の通話接続率が競合各社を上回り1位になったということをアピールする内容で、同社による電波改善への取り組みの成果を印象付ける内容になっている。数日前からは、北大路欣也さん、前田敦子さん、樹木希林さんなどを起用した新たなテレビ CM などを投入しており、実際に広告を目にした人も多いのではないだろうか。
しかし、このテレビ CM 展開に対して、Twitter をはじめとする SNS での声は冷ややかだ。Twitter で CM に対するコメントを検索してみると、「繋がりやすさ No1 って明らかに嘘なんだが。。」「そんなしょうもないことを莫大なカネ掛けて言ってないで、そのカネで設備調えてもっと繋がるように努力してよ」「ソフトバンクの繋がりやすさ No.1 の CM 観てるとホント苛々する。」「繋がりにくさ No.1 の間違えだろ?」「実際2位と0.1%しか変わらないしソースの信憑性が・・・」「ホントどんな調査なんですかね…開き直りか」など、辛辣な意見が並ぶ。このような意見は、日ごろからソフトバンクの電波に不満を感じているユーザーの“愛のムチ”とも読める。ユーザーの声は、日常的な使いにくさを理解して欲しいと願う悲痛なものなのである。
これらのユーザーのコメントにあるように、ソフトバンクが広告で公開している通話接続率の調査には、疑問を感じる声もあがっている。実際に調査を行ったイプソス社への電話取材の内容も併せて、その点を整理してみよう。
ひとつは、調査サンプル数の違いである。イプソス社が公開している調査結果のページによると、今回の調査対象者は NTTドコモが約3,400名、au が約3,700名、ソフトバンクが約5,300名と3社にかなりばらつきがある。本来、このような品質調査の場合は、比較する3社でサンプル数を揃えて違いを探るものである。サンプル数の差異は生まれる結果の整合性に影響する可能性も否定できない。
イプソス社によると、この調査はスマホ、フィーチャーフォンに関係なく3キャリアそれぞれ1万人(計3万人)のデータを元にしており、そこからスマホユーザーだけの結果を抜き出しているのだという。特にデータの整合性を取るための調整も行っていないとのこと。「スマホ、ガラケーでそれぞれキャリアごとの調査対象者が異なるのは、市場動向に応じた差だと理解している」と担当者は語る。
もうひとつは、調査方法に関するものだ。イプソス社によると、この調査は朝7時から夜23時の間に、全国の調査対象者に向けてシステムがランダムに通話発信し、接続率を調査しているという。しかし、本来電波のつながりやすさは「基地局の数」だけでなくユーザーの利用シーンによる影響が大きく関わる。例えば、混雑する時間帯、混雑する場所でどの程度の接続率を実現しているかはこのデータからは明らかにならず、示されているのは、ユーザーにとってはあまり参考にならない“全国平均”だけ。ユーザーの行動範囲で本当に繋がるか否かを知ってもらうためには、もう少しきめ細かなデータが必要ではないだろうか。
更に、この調査から生まれた結果についても疑問を感じるところだ。広告に掲載されている各社の通話接続率を見ると、最下位のドコモは97.8%、1位のソフトバンクは98.2%。しかも、このデータは調査期間のある一部のみを捉えたものであり、全期間を見てみるとドコモが1位のときもあれば au が1位のときもある。また、全キャリアの全期間のデータを俯瞰すると概ね97%〜98%を実現している。このデータをどうのように評価するべきか。
ユーザーの利用動向によっては、どのキャリアでも通話圏外になるような場所にいる場合や、サンプル対象者の端末が電池切れや電源を OFF にしている場合など、どうしても“つながらない”場面は想定できる。18万回以上の通話発信に対して接続失敗率がどのキャリアでも3%を切っているというのは、考え方によっては“想定の範囲内”であり、各社の差は“誤差”だと言うこともできるのではないだろうか。イプソス社の担当者はこの調査結果の評価について「ノーコメント」としている。
ソフトバンクの通話接続率がドコモや au と並んで劣らない程の結果を出すことができたという点は一定の評価ができたとしても、調査条件や調査方法を踏まえると、これがユーザーの満足度向上に直結するものかは慎重に捉える必要がある。ソフトバンクには更に細かい調査を望みたいところだ。
ちなみに、今回ソフトバンクが広告している「つながりやすさ、No.1へ」は、あくまでもプラチナバンドを含む 3G 電波による「通話接続率」の話。多くのスマートフォンユーザーの関心事である LTE 回線による通信品質に関するものではない。そもそも、ソフトバンクが「プラチナバンド」と謳っている 900Mhz 周波数帯には、「SoftBank 4G LTE」の帯域は割り当てられておらず、プラチナバンドの整備が進んでも iPhone 5 などで利用している LTE によるデータ通信の品質には一切の影響がない。
視聴者は、調査結果の印象的な数字や、広告で謳う強いメッセージだけを見て判断するのではなく、その内容を理解した上でソフトバンクの主張を解釈する視点が必要だと言えよう。
「つながりやすさ、No.1へ」というキャッチコピーが大々的に打たれたこのプロモーション。同社が推進しているプラチナバンドの整備によって、同社の通話接続率が競合各社を上回り1位になったということをアピールする内容で、同社による電波改善への取り組みの成果を印象付ける内容になっている。数日前からは、北大路欣也さん、前田敦子さん、樹木希林さんなどを起用した新たなテレビ CM などを投入しており、実際に広告を目にした人も多いのではないだろうか。
「つながりやすさ、No.1へ」ソフトバンクのプロモーションサイト |
しかし、このテレビ CM 展開に対して、Twitter をはじめとする SNS での声は冷ややかだ。Twitter で CM に対するコメントを検索してみると、「繋がりやすさ No1 って明らかに嘘なんだが。。」「そんなしょうもないことを莫大なカネ掛けて言ってないで、そのカネで設備調えてもっと繋がるように努力してよ」「ソフトバンクの繋がりやすさ No.1 の CM 観てるとホント苛々する。」「繋がりにくさ No.1 の間違えだろ?」「実際2位と0.1%しか変わらないしソースの信憑性が・・・」「ホントどんな調査なんですかね…開き直りか」など、辛辣な意見が並ぶ。このような意見は、日ごろからソフトバンクの電波に不満を感じているユーザーの“愛のムチ”とも読める。ユーザーの声は、日常的な使いにくさを理解して欲しいと願う悲痛なものなのである。
これらのユーザーのコメントにあるように、ソフトバンクが広告で公開している通話接続率の調査には、疑問を感じる声もあがっている。実際に調査を行ったイプソス社への電話取材の内容も併せて、その点を整理してみよう。
ひとつは、調査サンプル数の違いである。イプソス社が公開している調査結果のページによると、今回の調査対象者は NTTドコモが約3,400名、au が約3,700名、ソフトバンクが約5,300名と3社にかなりばらつきがある。本来、このような品質調査の場合は、比較する3社でサンプル数を揃えて違いを探るものである。サンプル数の差異は生まれる結果の整合性に影響する可能性も否定できない。
イプソス社によると、この調査はスマホ、フィーチャーフォンに関係なく3キャリアそれぞれ1万人(計3万人)のデータを元にしており、そこからスマホユーザーだけの結果を抜き出しているのだという。特にデータの整合性を取るための調整も行っていないとのこと。「スマホ、ガラケーでそれぞれキャリアごとの調査対象者が異なるのは、市場動向に応じた差だと理解している」と担当者は語る。
もうひとつは、調査方法に関するものだ。イプソス社によると、この調査は朝7時から夜23時の間に、全国の調査対象者に向けてシステムがランダムに通話発信し、接続率を調査しているという。しかし、本来電波のつながりやすさは「基地局の数」だけでなくユーザーの利用シーンによる影響が大きく関わる。例えば、混雑する時間帯、混雑する場所でどの程度の接続率を実現しているかはこのデータからは明らかにならず、示されているのは、ユーザーにとってはあまり参考にならない“全国平均”だけ。ユーザーの行動範囲で本当に繋がるか否かを知ってもらうためには、もう少しきめ細かなデータが必要ではないだろうか。
更に、この調査から生まれた結果についても疑問を感じるところだ。広告に掲載されている各社の通話接続率を見ると、最下位のドコモは97.8%、1位のソフトバンクは98.2%。しかも、このデータは調査期間のある一部のみを捉えたものであり、全期間を見てみるとドコモが1位のときもあれば au が1位のときもある。また、全キャリアの全期間のデータを俯瞰すると概ね97%〜98%を実現している。このデータをどうのように評価するべきか。
イプソス社が公開している通話接続率の全期間データ |
ユーザーの利用動向によっては、どのキャリアでも通話圏外になるような場所にいる場合や、サンプル対象者の端末が電池切れや電源を OFF にしている場合など、どうしても“つながらない”場面は想定できる。18万回以上の通話発信に対して接続失敗率がどのキャリアでも3%を切っているというのは、考え方によっては“想定の範囲内”であり、各社の差は“誤差”だと言うこともできるのではないだろうか。イプソス社の担当者はこの調査結果の評価について「ノーコメント」としている。
ソフトバンクの通話接続率がドコモや au と並んで劣らない程の結果を出すことができたという点は一定の評価ができたとしても、調査条件や調査方法を踏まえると、これがユーザーの満足度向上に直結するものかは慎重に捉える必要がある。ソフトバンクには更に細かい調査を望みたいところだ。
ちなみに、今回ソフトバンクが広告している「つながりやすさ、No.1へ」は、あくまでもプラチナバンドを含む 3G 電波による「通話接続率」の話。多くのスマートフォンユーザーの関心事である LTE 回線による通信品質に関するものではない。そもそも、ソフトバンクが「プラチナバンド」と謳っている 900Mhz 周波数帯には、「SoftBank 4G LTE」の帯域は割り当てられておらず、プラチナバンドの整備が進んでも iPhone 5 などで利用している LTE によるデータ通信の品質には一切の影響がない。
視聴者は、調査結果の印象的な数字や、広告で謳う強いメッセージだけを見て判断するのではなく、その内容を理解した上でソフトバンクの主張を解釈する視点が必要だと言えよう。
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