ちなみに、海外で不調が囁かれるサムスンの「Galaxy」の売れ行きは「Xperia」の半分ほどだそう。
最もつながりやすそうなドコモでも
それだけで選ばれるわけではない
それでも、NTTドコモはMNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)で他社からユーザーを奪えているわけではないという。同社は、7月にMNPで他社から乗り替えた新規契約者に対して、2万円のキャッシュバックを行うキャンペーンを展開したが、「それが終わった途端、新規の顧客が入ってこなくなった」(中村氏)という。「安いスマホを選ぶか、それともiPhoneが欲しいか」という消費者の二者択一の思いが、如実に表れているようだ。
これまで見てきた第三者機関の調査では、最もつながりやすそうに思えるNTTドコモだが、それが顧客拡大にはつながっていない。その背景には、iPhoneの魅力、キャリア各社による広告宣伝の影響などがあるものと思われる。岸田氏はその理由を、別の視点からこうも分析する。
「コミュニケーションの媒介が音声だった時代は、通話が不安定であったり途中で切れたりすると、とても困っていた。しかし、それがメールやメッセンジャー、ソーシャルメディアといったデータの時代になり、『送れなければまた送信すればいい』というように、『つながりやすさ』に対する感覚が変わってきたのではないだろうか」
キャリア選びの最大のポイントが、「つながりやすさ」であることは確かだろう。しかしこれまで述べたように、やはりユーザーがそれを正確に判断することには限界がある。「つながりやすさ」に関する数々の調査結果を参考にした上で、各キャリアが取り扱う製品ラインナップやキャンペーンのおトク度なども考慮しながら、「自分にとって最も条件のよいスマホ」を総合的に判断するしかなさそうだ。
それこそが、本当の意味での「バリバリスマホ」と言えないだろうか。あなたは、納得の行くスマホを手に入れることができるだろうか。
2013年8月30日公開の本記事において、初出時、3ページ目に『一方KDDIは、約500メートル四方のメッシュのうち、1世帯でも圏内であればそのメッシュ全体を分子に合算する「実人口カバー率」で表し、800MHz帯を含むLTEの実人口カバー率で96%を目指すと公表。』との記述がありましたが、事実誤認による誤りでした。現在の記述に訂正するとともに、関係各位、読者の皆様に謹んでお詫び申し上げます。
2013年8月30日
ダイヤモンド・オンライン編集部