かねて競合キャリアが扱う製品と比べて携帯やスマホがつながりにくいと言われて来たソフトバンクは、900MHz帯の免許を取得して、昨夏から「プラチナバンド」サービスを開始。その後様々な改善を重ね、足もとでは「スマホのつながりやすさNo.1」を掲げるまでになった。その自信をベースに、自社が取り扱うスマホへとユーザーをバンバン乗り換えさせようとする意気込みが、キャンペーンからは伝わってくる。
キャリアによって定義はまちまち
「つながりやすさ」は判断しづらい
しかし実際のところ、「スマホのつながりやすさ」をユーザーが定量的・定性的に判断することは難しい。そもそも立地や電波状況によって刻々と変わる「つながりやすさ」の判断が難しいことに加え、最近では通信キャリア各社がオリジナルで設定したバラバラの尺度により、ユーザーが判断に迷うケースが増えている。
キャリア各社がテレビCMなどの広告宣伝活動を通じて訴求している「カバー度合い」の尺度がまちまちのため、「つながりやすさ」をユーザーが公平に比較、判断できないのである。公称値と実態とのズレがユーザーに疑念を抱かせ、国民生活センターなどに相談が寄せられるケースも増えているという。
巷では、「ソフトバンクは本当につながりやすくなった」という声があれば、「色々使ってみたが、やはりドコモが一番つながりやすい」という声もある。結局、どのキャリアが一番つながりやすいのか、はっきり教えてほしい――。買い替えのタイミングでそう願う人は多いだろう。
そんななか、総務省が「つながりやすさ」の定義を改定すべく動き出した。「携帯電話サービスの利用可能なエリアの広さを示す『人口カバー率』の算出方式を変更し、7月以降に新規割り当て予定の周波数帯に適用することを公示した」(総務省)のだ。
キャリア各社もそれに従い、「つながりやすさ」の表示方法の統一を進めることになるだろう。今後その定義はどうなるのか。また、ユーザーが本当に「バリバリつながるスマホ」を見極めるためには、どうしたらいいのか。調査結果や専門家の分析を交えながら、検証する。
ポイントは、「人口カバー率」の計算式は新旧変わらずに「圏内の市区町村の総人口÷国内総人口」で表されるものの、その分子の数え方が変更になったことだ。