山本太郎参院議員(無所属)は31日、東京の赤坂御苑で同日に開かれた秋の園遊会で、天皇陛下に手紙を手渡したことを明らかにした。「原発事故での子どもたちの被曝(ひばく)や事故収束作業員の劣悪な労働環境の現状を知ってほしかった」と記者団に説明した。

 山本氏は30日に手紙を書き、陛下に園遊会で原発事故の現状を訴えて「手紙を読んで頂けますか」と直接手渡した。陛下からの言葉はなかったという。

 山本氏は今年7月の参院選東京選挙区に「脱原発」を掲げて立候補し、初当選した。記者団が、陛下を政治的に利用することになるのではないかと問うと、山本氏は「政治以前の問題だ。身分を横に置かせて頂いて、一人の人間として現状を伝えたかった。園遊会で手紙を渡すことが禁じられているとは聞いていない」と述べた。

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 菅義偉官房長官は31日午後の記者会見で、山本氏の行為について「陛下に園遊会のような場で手紙を渡すことがその場にふさわしいかどうか、参加した方が常識的に判断することだ」「常識的な線引きはあるだろう」と述べた。参院議院運営委員会は1日午前11時に理事会を開き、対応を協議する。