文化勲章授与式:高倉健さん「日本人に生まれて良かった」
毎日新聞 2013年11月03日 19時57分(最終更新 11月03日 20時57分)
文化勲章の授与式が3日、皇居・宮殿「松の間」であり、「幸福の黄色いハンカチ」「鉄道員(ぽっぽや)」などに主演して日本映画を支えてきた俳優の高倉健=本名・小田剛一=さん(82)ら5人が天皇陛下から勲章を受け取った。受章者を代表して「かな」の大家である書家の高木聖鶴(せいかく)=本名・高木郁太=さん(90)が「一層精進を重ねる決意でございます」と述べると、陛下は「今後ともそれぞれの分野の発展のために尽くされるよう願っております」と述べた。
ほかに受章したのは、万葉集の研究で知られる富山県立高志(こし)の国文学館長の中西進さん(84)と、分子免疫学の研究で世界をリードしてきた静岡県公立大学法人理事長の本庶(ほんじょ)佑(たすく)さん(71)、テープやディスクに用いられる磁気記録方式を開発した東北工業大理事長の岩崎俊一さん(87)。
5人は式後に宮内庁で記者会見した。高倉さんは「日本人に生まれて本当に良かったと今日思いました。たった5人しか選ばれない1人に映画俳優をやっていても選ばれたということが、とってもうれしかった」と喜びを語り、皇居の印象を「とても気持ちの良い場所でした」と話した。
また、宮城県在住の岩崎さんは「東北は震災で苦難の道を歩んでいるが、皆さんに『頑張ってください、私も頑張ります』という気持ちで報告したい」と述べた。【長谷川豊】