文化勲章親授式 高倉健さんら5人に11月3日 11時35分
文化の日の3日、皇居で文化勲章の親授式が行われ、俳優の高倉健さんなど5人に天皇陛下から文化勲章が贈られました。
ことしの文化勲章の受章者は、長年、日本を代表する映画俳優として活躍し主演の「鉄道員(ぽっぽや)」などで数々の映画賞を受賞した高倉健さん(82)、かなと漢字の美しさを融和させた独自の書風で活躍する書家の高木聖鶴さん(90)、コンピューターなどの磁気記録に関する研究で先駆的な業績を挙げた東北工業大学理事長の岩崎俊一さん(87)、万葉集ができる歴史的過程を比較文学の手法で明らかにした国際日本文化研究センター名誉教授の中西進さん(84)、分子免疫学の研究で世界をリードする役割を果たした静岡県公立大学法人理事長の本庶佑さん(71)の5人です。
親授式は皇居・宮殿の「松の間」で行われ、天皇陛下から一人一人にたちばなの花にまが玉をあしらった文化勲章が贈られました。
そして、受章者を代表して高木さんが「それぞれの分野において一層精進を重ねる決意でございます」とあいさつすると、天皇陛下は「長年努力を重ね、大きな業績を収められ、文化の向上に尽くされたことを誠に喜ばしく思います」とお祝いのことばを述べられました。
このあと受章者たちは文化勲章を着けて宮殿の前で記念撮影に臨み、受章の喜びをかみしめていました。
高倉さん「これから責任重大」
高倉健さんは、親授式のあと行われた記者会見の冒頭、「日本人に生まれて本当によかったと、きょう思いました。文化のために何をしたのかなという反省も大きくあります」と述べました。
そして「二百何本という膨大な本数をやらせていただきましたけれども、ほとんどは前科者をやりました。そういう役が多かったのにこんな勲章をいただいて、一生懸命やっているとちゃんと見ていてもらえるんだなと素直に思いました」と喜びを語りました。
また「日本のたった5人しか選ばれない1人に、映画俳優をやっていても選ばれたということが、とってもうれしかったです」と話し、「これからの作品選びとか、章に恥じないものをやらなければいけないと、責任重大だなと思っています」と抱負を語りました。
岩崎さん「東北の皆さんに報告したい」
福島県出身の岩崎俊一さんは、「今回の受章を震災で苦難の道を歩んでいる東北の皆さんに『頑張ってください、私も頑張ります』という気持ちで報告したい。東北人の粘り強さを自分の研究の中でも生かすことができたと思っています」と話しました。
本庶さん「ぶれずに研究続けたご褒美」
本庶佑さんは今回の受章について、「私自身、大変光栄なことですが、若い人にとっても大きな励みになります。長いことしっかりとぶれずに研究を続けてきたことに対してのご褒美だということで、本当にうれしく、感謝しております」と述べました。
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