康介という男
目つきが悪くて、アクセサリーやピアスもじゃらじゃら付けて、昔は綺麗な黒髪だったのに派手な金髪に染めて。
新入生だというのに、すでに制服は着崩しているし。
わかりやすい、わかりやすすぎる不良だ。
昔はユリがいじめられそうになったら、すぐに助けに来てくれたのに。
“大丈夫か?!ユリ!!”……って、必ず聞いてくれたのに。
今では母親譲りの綺麗な顔が妙な迫力を生み、元々の負けず嫌いの性格も助けてこの界隈を騒がせる暴走族のリーダーになってしまった。
ユリは諦めて、いかつい黒いバイクに乗ると康介は学園に向けて走り出す。
こんなことなら、髪をまとめてくるのだったと後悔した。
ユリの腰まで長い黒髪が、風になびいて周りの物に当たりそうで怖い。
康介はそんなこともお構い無しに、スピードをどんどん上げた。
「はっ、早くありません……!?」
「あー?!聞こえねーなー!!」
嘘つきー!!聞こえているくせに!
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