1章:俺が魔法少女?!
第0話?! 俺がプロローグ?!
【2012年 5月3日】
――パンッパンッ
毎日のように、近くの神社にいるなんとか神にお祈りをする……それが俺の日課だ。
俺、紅くれない 薹揮とうきは今年で中2になる。某特撮ヒーローが大好きな事以外は、ごく普通の学生だ。
ん? なんで毎日神社に行ってお祈りしてるかって? はは……そんなの簡単な事さ。
「俺がヒーローになりたいからさぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!」
ごそごそ
「ママーあの人なんでさわいでいるのー?」
「見ちゃ駄目よ! さ、早く帰りましょ」
がやがや
「かわいそうに……頭がおかしくなったんだ……」
「嘘吐きの俺に嘘が通用ぐふゥ」
……おっと。つい大声をだしてしまった。回りのお年寄りから、少々痛い目で見られている。
おいおい……勘違いするなよ? 別に、俺が毎回、エッチな同人誌が売っているコミケ通ってマニアックな話してるとか、現実から目をそらしている現役ニートとかじゃないんだ。
俺は、俺はッ! ただ純粋にヒーローになりたいだけなんだ。昭和の中学生とかだったら、みんなそうだったろ!? 仮●ライダーになりたいとか、ウ●トラマ●コス●スになりたいとかいってただろ?! 変身ポーズして「とゥわッ!」とか叫んでいただろ!?
なにィ? 今は昭和じゃない、平成だって? そんなの知るか! くそったれ! いいか? お前ら!最近の世間はヒーローに対するひどいんだよ! いいか? 日本の特撮技術はトップクラスであのかの有名なスパイ●ーマンは一回、日本の特撮の中心ともいえる会社、●映様があのアメリカンコミックスの最長点ともいえるマー●ルコミックスにたのまれて、日本で作られたんだぞ!?
「この、知ったかぶりがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」
――シーン……
……。
…………。ハハ……おかしいな……さっきまで、たくさんの人がいたのに誰一人もいないぜ……誰も聞いてないしな。こんな事を1人で考えている俺ってかなり痛いのかな。
……独り言はやめて、学校に行こ
「キャー! 助けて-!」
かな――んん?
今、助けて―!的な30代後半の女性の声がしたぞ?! これは……これはフラグか? ほら、あれだよ。よくあるヒーロー物の『助けを呼ぶ女性』! 定番だな。そこで、ヒーローが助けにかけつけるというやつだな。
しかしだ、これはテレビの世界じゃないんだ。
いやいや。現実をみるんだ。テレビの見過ぎだろ……? 俺。ほら、
「がっはっは! 人間共よ恐怖するがいい!」
あそこに、いかにも悪そうな怪人が――ってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
「おい! あそこに人間がいるぞ! 捕らえよ!」
「ギー!」 「ギー!」
うわ。なんだこいつら。どこぞやの戦隊ヒーローの怪人と雑魚ですか……なんか、大きい大砲2個持っている虎の怪人と全身タイツの戦闘員っぽいのがいるよ……。
あ、そうか……これはどっかのヒーロー番組の撮影なんだ。はい。わかります。
「あのー」
「なんだ、人間!」
「なんの番組の撮影ですか……?」
その瞬間、怪人達の顔はあまりのショックで固まった……ように見えた。
「お、お前!我々の事を知らないのか!」
そんな事言われてもな。知らないものは知らないし…………あ、わかった!
「あ―わかった!」
「なんだ! いってみろ!」
「37番目のス●パー戦隊の敵キャラ?」
「…………は?」
え? なんで怒ってるの? はは……あ。仮●ライダーだったのか? いや、だってね。平成の仮●ライダーでは最初の怪人は一人で出てくるって決まっているんだぜ!? 例外もあるが……そんなにゾロゾロ戦闘員連れて行ってたらス●パー戦隊にしか見られないじゃないか!
「ふふ……いいだろう。冥土の土産に教えてやろう。偉大なる我らの正体を!!」
はっきり言ってどうでもいい……通学中だし……それに、どうせあと一ヶ月でこいつらのネタバレ的なのがネットに出回るだろ?
そう思っていると、さっきの怪人の後ろから、オレ、幹部ですよオーラを出した怪人2体と、20代後半で、鎧っぽいのをつけている女の人がでてきた。
……あれ? けっこう本格的だな。幹部っぽい怪人の1人の顔がかなり厳いかつい。
「おびえるがいい!」
――おびえません。
「ひざまづくがいい!」
――嫌です。
「…………」
――なんか言えよ!
「「我ら! 偉大なる悪神! ロキ様に従う3光神!!」」
「魔狼のフェンリル!」
「冥界のヘル! すべての女の処女は私のモノ!」
「…………ヨルムンガンド」
「「「我ら! 霜の巨人!」」」
なんだ……こいつら。勝手に出てきて、勝手に名乗りやがった。
なんか、さっきの怪人がまだまともに聞こえたぞ……しっかしおかしいな。ネタバレ情●局にもこんな悪の組織の情報あったけ? 組織名もなんかダサイ…。
そして、さっき話をしてた怪人が前に出てきた幹部の中から出てきて、
「そして、事務係のクラム・タイガー!」
そうそう。事務係の……ってえぇぇぇぇぇ!!! 事務係!? 悪の組織だろお前ら!
どこの会社だ!
ア●バレンジャーとかのパクリか! 係長のパクリか!
「私達の正体を知ったからには、イカしてはいけないわ! 早くそいつを血祭りにあげなさい!」
「ギー!」 「ギー!」
な……!
「お前らが勝手に正体ばらしたんだろうが!!」
「あれ~なんか聞こえたー?」
「いや……聞こえなかったな」
「…………ああ」
「まぁ、やっちゃいな!!」
「ギ-!」 「ギー!」
――シュダダダダ!!
うっぜェェェェェェェェ!! やばい、こっちに近づいてくるっ!
ダダダダダ!!
「あ! 逃げたわよ! 霜の巨人……突撃ィィィ!!」
「ギ-!」「ギー!!」
――ダダダダダッッッ!!!
オレは変な怪人集団こと、霜の巨人に追われながら思った。
「なんで、こうなるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
3月26日 誤字指摘ありがとうございましたm(__)m
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