初投稿です。
作者は初心者ゆえに、読みにくいところもあるかもしれません。そのへんは、ご容赦ください。
なお、誤字・脱字・矛盾点などがありましたら、ご報告ください。
第1話 終わり
2XXX年、一つのMMORPGの幕が降りようとしていた。
5年前、あるゲーム会社が鳴り物入りで発表、開始したゲーム『レムリア・オンライン』―MMORPGの中で、最も有名で、おしまれたゲームである。
まず、開始の時期が悪かった。開始の半年後、バーチャル・リアリティー・システムが開発され、その一ヶ月後には、そのシステムを使ったVRMMORPGの開発が発表される。
VRにより、プレイヤー自体がリアルに冒険が感じられるのに比べ、従来の画面上だけの冒険であるゲームでは太刀打ちできるはずもなく、多くのゲームがサービスを終了、VRに移行していった。
そんな中、『レムリア・オンライン』はVR化の波に乗ることを嫌い、従来のままで魅力的なゲームを作ろうと、必死の努力をしていた。その甲斐あってか、ある一定数のユーザーを獲得し、つなぎとめておくことには成功した。
しかし、開始から2年。次々と出てくるVRゲームに、新規ユーザーを取られ、今までいたユーザーたちも引退するなど、どんどん人数が減っていった。
そして、開始から5年。『レムリア・オンライン』は、静かに幕を下ろした。
『あと1時間でレムリア・オンラインは終了いたします。長い間ありがとうございました』
そう、テロップが流れている中、僕の操るキャラクター『ビリノア』は、ある場所へと向かっていた。
僕の名前は、榊元。職業はネットトレーダー……今は休業(一生食っていける額を稼いだので)している。
そして、『ビリノア』は、僕が『レムリア・オンライン』で使っているキャラクターで、性別は男、種族は人間、レベルは200(最高)、職業は魔術師(今は)である。
レベル200のところで気付かれた方がいるかもしないが、僕はいわゆる廃プレイヤーと言うやつで、かなりのお金をつぎ込んでいる。職業に関しても、今はと付けた通り、全職業を経験し、そのスキルをマスターしている。
さて、僕が今どこへ向かっているかと言うと、世界の中心にある、レムリア島のレムリア神殿である。そこで、最後の転生を行うためだ。
レムリア・オンラインに置いて転生とは、(個人的に)重要な要素のスキルをそのまま引き継ぎ、レベル・職業・ステータスを初期化することだ。
職業。これは、戦士・魔術師・弓使い・神官の戦闘系4種と、鍛冶師・錬金術師・詩人の生産系(最後のは疑問だが)3種の計7種だ。上位職と言うものはない。ついでに、種族は、人間・エルフ・ドワーフ・獣人・魔人・神人の6種だ。
ステータスは、ほとんど無いと言ってもいいほどだ。すなわち、HP(ヒットポイント)とTP(テクニカルポイント)だけである。他のゲームのように腕力や知力と言うものはない。それゆえに、魔術師が大剣を持って敵を切り倒すという風景が見られた。武器のレベル制限があるだけだから見られる風景だった。
では、レベルはと言うと、まあ解りきった事だが、職業によって上がり幅が違うが上がればHPとTPが上がり、スキルポイントが2ポイント手に入る。
さて、個人的に重要だと思うスキルの説明に移ろう。まず、スキルは基本スキルと職業スキルに分かれている。基本スキルとは、冒険者として必要なスキルであり、全職業共通のスキルである。職業スキルは、名前のとおり、職業によって異なるスキルだ。
基本スキルは、鍵開け、罠解除、ダッシュ、モンスター知識、料理、採集、採掘の7種だ。初回ゲーム開始時に10ポイント貰えるスキルポイントが振り分けられるスキルである。マスターレベルは5であり、比較的すぐにマスターできる。
問題は、職業スキルだ。生産系はまだ少ない方だが、戦闘系はかなり多数のスキルが存在する。例として、戦士を挙げよう。まず、剣の威力を上げる剣スキル、同じような効果を持つ槍スキル、格闘スキル。防具の効果を上げる壁スキル。技を繰り出すためのスキルなど、かなりの量となる。
剣をふるうことは、剣スキルを持っていなくても出来るのだが、マスターレベルでもっていれば、その威力は2倍に跳ね上がる。この効果は、他の剣系の技スキルにも適用されるため、剣士系なら必ずマスターまで取ることをお勧めする。
1回ですべてをマスターすることは不可能であり、少ない方の生産系でさえ最高レベルまで上げても全てのスキルをマスターできないのだ。その為、剣なら剣系、槍なら槍系などと、系統別にマスターしていく方法を取るのが一般的だ。
だが、僕個人は違う。全ての職業スキルをマスターしたいと考えていた。その為に目を付けたのが、転生システムである。
もともとは、その職業に飽きた人が別の職業に変わるため、種族を変えたいと思った人が利用するシステムとして想定していた。だが、スキルやアイテム、お金は持ち越せるものの、レベルが1まで下がることを考えると、わざわざ弱くなってまで変える必要性を感じる人は少なく、あまり使われないシステムとなっていた。
そもそも、僕が目指していたのは魔法剣士だった。遠ければ魔法、近ければ剣といった風な戦い方がしたかったのだ。転生システムを使うことは決めていたが、まず戦士になってスキルを取ろうとした時、まずその量に驚いた。多いのだ、他のゲームに比べて、圧倒的に。そして思った。スキルコンプリートしたいと。その時から、僕は廃プレイヤーになった。親もおらず、ネットトレードでひと財産稼いでいたということもあり、廃プレイにはもってこいの環境だった。
ゲームを始めて3年。かなりの額のお金をかけつつ、全てのスキルをマスターし、スキルマスターの称号を得た。しかし、その時には、レムリア・オンラインは衰退しており、プレイヤーの数も激減していた。
人が減っても、やることは変わらない、メインシナリオをやったり、サブをやったり、運営が用意したイベントをやったりと楽しんだ。VRに興味はあったが、こちらの方に愛着があった。いまだにこっちにいる人たちの、共通の思いだろう。
しかし、時代の流れに逆らえないのか、今日、この日にレムリア・オンラインは終了の運びとなった。
最後に運営側が用意した祭りを楽しんだ後、仲間たちと別れ、レムリア神殿に向かった。
最後にやりたい転生。それは、ランダム転生と言うものだ。元来転生は、プレイヤーが決めた種族、職業に転生できるのだが、ランダム転生は、その名のとおり名前だけ固定で、他はランダムで決められる。性別すら例外でない。知り合いのチャレンジャーがやった事があるが、ドワーフの女、職業詩人になった。もちろん男が、だ。恐ろしく、当たり外れの落差は大きいが、どうせ最後だからと思い、実行することにした。
『ようこそ、わが神域へ』
神殿に入ると同時に、『創造神・レムリア』が、話しかけてくる。
『今回は、何を望む?』
いくつかある選択肢の中から、『転生をしに来た』を選ぶ。
『転生か……どのような転生を望む?』
迷わず、『ランダム転生』を選ぶ。
『ランダム転生だな。これで良いのか?』
この選択肢でハイを選んだ……
昨日未明、自宅兼仕事場で、ネットトレーダーの榊元さん(25歳)が、倒れているのを近所の人が発見、通報したが、既に息がなく、病院にて死亡が確認された。目立った外傷はなく、警察は病死の可能性が高いとしている。
(2XXX年○月×日 新聞の地方欄より抜粋)
いかがでしたでしょうか。
作者の自己満足で作っている小説なので、稚拙な感じがありますが、少しでも面白いと思ってくれるといいのですが……
作者は、執筆速度が遅いので亀更新、もしくは不定期になるかもしれませんが、完結までは持っていく予定です。
感想がありましたら送ってください。
それでは、読んでいただきありがとうございました。
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