新潟市出身。津田塾大学を卒業後、1986年マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。88年、マッキンゼーを退職しハーバード大へ。90年、ハーバード大学にてMBAを取得、その後マッキンゼーに復職。99年にディー・エヌ・エーを設立。同年、マッキンゼーを退職し、DeNA社長に就任。2005年、DeNA東証マザーズ上場、07年に東証一部へ。11年6月、病気療養中の夫の看病のため社長を退任し取締役(現任)。13年6月に出版した著書「不格好経営」(日本経済新聞出版社)が、多くのビジネスパーソンの共感を呼んでいる。
「フェルマーの最終定理」は、17世紀の数学者フェルマーが残した難問を、あまたの数学者たちの挑戦と挫折を経て、現代の天才数学者アンドリュー・ワイルズが初めて証明するまでを追ったドキュメンタリー小説です。
「数学嫌いの人が手に取らないのが残念で仕方がなくて」「スケールが大きいんです。世紀を超え、大陸を超えた人類の『知』の作業というのにわくわくしてしまって」と南場さん。
1993年、証明に成功したと発表したワイルズですが、すぐに証明に問題点が見つかってしまいます。
「最後またダメになりそうで、また頑張る。『頑張る』って使い古されていて陳腐で、と嫌がられることもあるけれど、実際には頑張ること自体が、とても美しくて、重要で、幸せなことなんだろうな、と」
ワイルズは挫折に負けずに、1年後、真の証明に成功するのでした。
しかしこの本で南場さんの印象に残っているのは、実はある脇役のエピソード。失恋で自殺しようとした数学者ヴォルフスケールが、その直前に手に取った数学の本を見て閃いて、新たな証明を始めたくだりです。結局、彼は生きて新たな成果を発表することになります。
「人は無心になったとき、欲がなくなったときに、一番クリエイティブになって、成果が出る。そんなこともちょっと教えてくれる本なんですよね」
南場さんはこの本を何冊も何冊も持っていて、機会あるごとに読み返したり、人に薦めたりしているのだそうです。
「ストレスで自分の発想が小さくなっているときに手に取るし、そうなっているスタッフがいるときには『まあ読めよ』と渡すんです。いい迷惑だと思うんですけど(笑)」
南場智子さん、DeNA本社にてロングインタビュー。部下の育て方や人が能力を発揮するときなど、日々の仕事の参考になりそうな言葉が詰まった映像です。(ウェブ限定公開)
南場さん自身がDeNA創業の舞台裏を描いた1冊。数えきれないほどの過ちやトラブルを格好悪く泥臭く乗り越えて、DeNAが企業として成長していくさまを克明に記していきます。
「イメージ的に固い肩書の連続と思われているけれど、実際はずっこけた人生で、順調ではなかったので、等身大で知ってもらえたらと思って」
「起業って面白いよ、ということも伝えたかったんです。私はとても楽しめたので。渦中にいるときは非常に大変だったんですけれども、やっぱり夢中になれましたし、それは私の人生最大の幸運だったと思っているんですね。だから、起業はオススメです」(南場さん談)
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