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【大リーグ】

ロイヤルズのマスコット、訴えられた!? 投げたホットドックがファンの目を直撃

2013年11月3日 紙面から

 球団マスコットが立つのはグラウンドではなくコート(裁判所)!? ロイヤルズのライオンを模した球団マスコット「スラッガー」が、ミズーリ最高裁判所の判決を待っている。1日のAP通信などによれば、スラッガーが観客にアルミホイル入りのホットドッグを投げる名物イベントで、2009年9月に男性ファンがこれを目に受け、2度の手術を受ける大けがに発展したと主張。ロ軍に損害賠償を求めており、米プロスポーツ全体が判決の行方に注目している。

 何とも奇妙なアクシデントが、全米の注目の的となっている。ロイヤルズのマスコット「スラッガー」が手で、または射出機で観客にホットドッグを投げ入れるのは、2000年から続く本拠地カウフマンスタジアムの名物イベントだ。だが、カンザスシティー在住のジョン・クーマーさん(53)によれば、09年9月、アルミホイルに包まれた約110グラムのホットドッグをスラッガーに投げられ、これが目を直撃。網膜剥離と白内障で人工水晶体を挿入する2度の手術を受け、約4800ドル(約48万円)の医療費がかかったという。視力低下が顕著で、弁護士は金額を伏せたが、ロイヤルズに相当額の損害賠償を求めている。

 ジャクソン郡裁判所は10年、「原告の不注意による負傷で、球団に責任はない」と判断したが、控訴裁判所は今年1月、逆に原告の主張を認めた。ミズーリ最高裁判所で9月に口頭弁論が行われ、現在は判決が待たれる状況だ。

 問題とされるのは、通称「野球のルール」。ファンは球場やリンクなどに来る以上、ファウルボールや折れたバット、アイスホッケーのパックなどに自ら目を配る責任があるとされ、これらの原因で観客が負傷してもチームはその責任を負わない。これはチケットの裏にも明記されている。だが、このルールが球団マスコットの行動にも適用されるべきか否かを判じた裁判の前例はないという。

 もし原告が勝訴すれば、球団マスコットが射出機でTシャツをプレゼントするなど、どこの球場でも見られる人気イベントが姿を消すかもしれない。ライオンのスラッガーVSクマさん、もといクーマーさんの争いを、全米が固唾(かたず)をのんで見守っている。

 

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