「テロ組織関与」に疑問の声上がる11月3日 4時44分
中国・北京の天安門広場の近くで車が炎上した事件で、習近平政権は、新疆ウイグル自治区の独立を主張する国際的なテロ組織が関与したと断定しましたが、この組織について、現地の事情に詳しい関係者の間からは、「活動は乏しく、中国政府は意図的に過大評価している」などと疑問の声が上がっています。
今回の事件で、炎上した車内で死亡した3人と、容疑者として拘束された5人は、いずれもウイグル族とみられ、習近平政権は、新疆ウイグル自治区の独立を主張する「東トルキスタン・イスラム運動」という組織が関与したと断定しました。
この組織は、国連安全保障理事会から国際的なテロ組織と認定されており、習近平政権は、「テロ撲滅」を掲げて、ウイグル族への締めつけを強める姿勢をみせています。
しかしこの組織について、現地の事情に詳しい関係者は、「現在は活動が乏しく、外国の組織との連携もほとんどない」と指摘して「中国政府が意図的に過大評価している」と話しています。
また中国政府が、事件は組織的で計画的なテロだとしていることについて、北京在住のウイグル族の研究者イリハム・トフティ氏は、「車内に宗教的に過激なことばを記した旗があったと発表されたが、車は激しく焼けたとされており不自然だ」としたうえで、現場の監視カメラの映像が公開されていないなど、証拠は不十分だと主張しました。
イリハム氏は、「世界的には、極端なイスラム思想に基づくテロが起きてきたのは事実だが、ウイグルの人々とどれほどの関係があると言うのか。中国政府は、こういう事件が起きるたびに関係があると主張するが、証拠が示されたことは一度もない」と話しています。
[関連ニュース] 自動検索 |
・ 習政権 国際テロ組織関与の主張に力点 (11月2日 4時29分) |
[関連リンク] |
|