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'13/11/3

北朝鮮と核・ミサイル開発協力継続 イラン革命防衛隊


 【ワシントン共同=井上智太郎】イラン革命防衛隊のジャファリ司令官が8月、ロウハニ大統領の就任宣誓式に出席するためテヘランを訪れた北朝鮮代表団と会談し、核・ミサイル開発分野の協力を継続すると確約していたことが2日、分かった。イランの内情に詳しい外交筋が明らかにした。

 革命防衛隊はイラン指導部に直結する親衛隊的な性格を持ち、弾道ミサイル部隊も管轄。米国は「弾道ミサイル、核開発で中心的な役割を果たしている」として、北朝鮮との関係を含め動向を厳しく監視している。

 保守穏健派のロウハニ政権は、欧米など6カ国との核協議で柔軟姿勢を示すなど関係改善に乗り出している。革命防衛隊と北朝鮮との協力継続はこれに逆行する形となり、内政、対欧米関係の両面で対立の火種となる可能性がある。

 同筋によると、会談は宣誓式前日の8月3日に行われた。北朝鮮側はイランへの兵器輸出などを通じて外貨を獲得してきたが、対話路線を掲げるロウハニ政権下で軍事協力が見直されることに懸念を抱いていた。

 これに対し、ジャファリ氏は、革命防衛隊は最高指導者ハメネイ師の指導下にあり「大統領の従属機関ではない」と説明。革命防衛隊や関連の軍事部門は「戦略分野での協力をこれまで通り続ける」と強調した。

 北朝鮮側は軍関係者らが会談に出席したとみられる。北朝鮮代表団を率いた金永南キムヨンナム最高人民会議常任委員長はロウハニ師と会うため、革命防衛隊との会談には同席しなかったもようだ。

 北朝鮮代表団の一部はイランの軍事施設も視察した。その際、イラン国防軍需省高官や同省傘下で弾道ミサイル開発を担当する「航空宇宙産業機構」の総裁らが同行したという。

 同筋によると、北朝鮮代表団メンバーはイラン訪問直前になって変更されたといい、関係国が人定を進めている。




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