『あまちゃん』音楽の大友氏、同時制作した映画『受難』の楽曲が「我ながら似ている」
NHK朝の連続ドラマ小説『あまちゃん』の一大ブームに一役買った音楽家の大友良英氏。オープニング曲をはじめ、「潮騒のメモリー」「暦の上ではディセンバー」など、劇中で流れた大半の音楽を手掛けたのだが、実はその裏で“性”を過激に描いた岩佐真悠子主演映画『受難』の音楽も制作していたという。
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本作は「ツ・イ・ラ・ク」「ハルカ・エイティ」「リアル・シンデレラ」と並び、直木賞候補になること4回を数える人気小説家・姫野カオルコの同名小説の映画化。姫野にとっては初の映像化となる記念すべき作品。とにかくアソコの描写が頻繁に登場するだけに映像化は100%無理と言われていたが新鋭・吉田良子監督が果敢に挑戦した。
主演はグラビアアイドルとして頂点を極め、女優として活躍の場を広げる岩佐真悠子。とてつもない難役をフルヌードも辞さず演じ切り“女優魂”を見せつけた。そして「あまちゃん」で一世を風靡したことが記憶に新しい大友氏が音楽を担当。様々な個性がぶつかり合い生み出された本作は、過激でありながらどこかピュアな世界観で、性と愛の本質は何かを問いかける。
大友氏は「あまちゃんと同じ時期に『受難』の音楽も作りました。我ながら似てるなって思います。すいません。でも、映画のおかげで、似たような音楽なのに全然違う世界に向けて扉を開いてくれてます。ホッとしました」と胸中を吐露。「扉の向こうは私の大好きな世界、皆さんも扉の向こうをのぞいてみてください」と作品をPRした。
吉田良子監督は「映画が終わった瞬間、一体どんな音楽が流れるだろう? という事から今回は考えていました。その時、大友さんの名前が浮かんだのです。良いも悪いも滑稽も、美しいも醜いも色々なものが詰まった楽曲が映画の中で響いてくれたら嬉しいとお伝えしました」と依頼に至る経緯を説明。仕上がりについては「とても素敵で、デモから実際の演奏、録音、ミックスと工程を経る毎に変化し、増殖していく様を見るのは楽しかった。『受難』の音楽は大友さん以外ありえません」と大絶賛した。
修道院生活育ちの汚れなき乙女、フランチェス子(岩佐真悠子)は、なぜ男女は付き合うのか? なぜセックスをするのか? という疑問に悶々とする毎日を送っていた。ある日、彼女のオ××コに突然、人面瘡が出現。しかもそれは「お前はダメな女だ! 」と彼女を日々罵倒するひねくれた人格の持ち主。ところが彼女は人面瘡を“古賀さん”と名付け、罵詈雑言を浴びながらもけなげに共同生活を送りはじめた…。
『受難』は12月7日より全国公開。