「銀メダルだって十分ハッピーでしょう。どうして一から始めたの? ヨナとの差を感じたから?」と外国メディアがたずねた。
「銀メダルはすごくうれしい。でも、ジャンプがそのシーズンから乱れてきて、自分自身が許せなかった。スピンもスケーティングもだけど、一番はジャンプだった」と浅田は答えた。
■意志は強いが、臆病な面も
浅田はとても頑固で、意志が強い一方、臆病な面もある。
スケートの魅力と美しさの基本は、スピードだ。ジャンプを失敗したくないがため、バンクーバー五輪のころの浅田は慎重になり過ぎて、スピードが15歳のころよりかなり落ち、苦手なジャンプも回避していた。
しかし、スピードがあるからこそ勢いがついて、トリプルアクセルの成功率も高まる。いろいろなジャンプを跳べた方が、満遍なく得点がとりやすい……。理屈を言われれば「そうかな」と言うものの、浅田はなかなか踏ん切れなかった。
佐藤コーチについて4年目。「極端な言い方ですけど、きちんと話を理解してもらえるようになった。どうしてスピードが必要なのかとか、徐々に体で分かりつつあるから、頭でも理解しつつある」(佐藤コーチ)
■全面的に信頼できるコーチに師事
練習しないと不安な浅田は隠れて練習したり、「体が重いから跳べないのではないか」と思い過度なダイエットに走ったりすることもあった。「休めと言ったら、今はきちんと休むか」と聞くと、「はい、やっと」と佐藤コーチは苦笑い。米国大会には公式練習の3日前に現地に入るようにというコーチの提案に素直に従った。これまでは「練習時間が減るから不安」と、直前にしか入らなかったのに。
おそらくシニアになって初めて、浅田は全面的に信頼できるコーチを持てたのではないか。ここに来て、2人が目指す演技も合致してきた。
浅田真央、アシュリー・ワグナー、エレーナ・ラディオノワ、カロリナ・コストナー、金妍児
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