ここ数年で、スピンやステップの得点のとりこぼしはほとんどなくなった。滑りのなめらかさ、スピードは4年前とは比べものにならない。「課題はジャンプだけ」とよく繰り返していたが、「(佐藤)信夫先生とやって3年、いろんなものがかみ合って、手応えを感じている」
■予想と演技のギャップ少なく
2009年世界選手権のころから、浅田は試合によって状態が安定せず、いい演技をしても点が伸び悩む一因になっていた。11、12年と世界選手権で連続6位だったが、12~13年シーズンはGP初戦から四大陸選手権まですべて優勝。世界選手権も金妍児(キム・ヨナ、韓国)、カロリナ・コストナー(イタリア)に続く3位で3年ぶりに表彰台に上がった。
演技前の予想と実際の演技にギャップがなくなると、ジャッジも思い切った得点を出せる。それが米国大会の結果であり、五輪に向けて好発進したといえるだろう。
表彰台に向かって浅田の右側には14歳のエレーナ・ラディオノワ(ロシア)がいた。年齢制限でソチ五輪出場資格はないが、GP大会だけ出場している。彼女を見て浅田は「緊張と楽しみでいっぱいなんだろうな。今は楽しめることを楽しめないときもあると思うけれど……」。
■笑顔と無邪気さ、世界中をとりこに
今のラディオノワは8年前の浅田の姿を思い起こさせる。当時の浅田はスケートにまつわる何もかもが楽しくて仕方ないようで、記者会見でもキョロキョロしていた。何を聞いても答えは「トリプルアクセル!」。その笑顔と無邪気さは世界中をとりこにした。
そんな浅田はバンクーバー五輪後、佐藤コーチの指導を受け、基本のスケーティングから学び直している。「彼女は普通のレベルじゃないから。普通のレベルの選手ができないなら、『やるしかない』ってなれる。あのレベルの人が振り出しに戻るなんて、めったにできることじゃないから」と佐藤コーチ。
世界女王に2度もなり、五輪では銀メダリスト。金妍児に五輪で敗れたものの、今のままでも十分成績はとれる。わざわざ情けない姿を見せてまでやるのはなぜか。
浅田真央、アシュリー・ワグナー、エレーナ・ラディオノワ、カロリナ・コストナー、金妍児
フィギュアスケートの高橋大輔(関大大学院)の3度目の五輪挑戦が始まった。シーズン初戦となったグランプリ(GP)シリーズ、スケートアメリカは4位。「自分でびっくりするくらい、勝つぞという気持ちが出てい…続き (11/1)
ソチ五輪シーズンのフィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズが米国大会を皮切りに始まった。浅田真央(中京大)はショートプログラム(SP)もフリーも首位で米国大会を制した。2位、5位に終わり初めて…続き (10/25)
4シーズン前、フィギュアスケートのジュニアタイトルを総なめにした仙台の中学3年生にとって、五輪は「夢の世界」でしかなかった。シニアになって3シーズン、羽生結弦(18、ANA)は世界選手権銅メダリスト…続き (9/11)
各種サービスの説明をご覧ください。