赤毛連盟のあらすじ
街に真っ赤な髪の毛をした質屋のおやじがいたのね。ある日、赤毛連盟というところから、連盟に一人欠員が出たということで新しい赤毛の人を募集したんだ。そのおやじのところにも、もちろん募集通知がきたのね。でもおやじは赤毛連盟なんて聞いた事すらなかったから意味が分からない。
それとときを同じくして、おやじの質屋に一人の青年が働きたいとやってきたんだ。その青年は将来質屋になりたくて勉強がしたいんだと。賃金なんて僅かでいいからとにかく働かせてほしいって言うんだ。おやじもいい歳で、そろそろ楽をしたいって思ってた矢先になんとも都合のよい青年が現れたから、まぁいいだろうって事で採用したんだ。
その青年に、赤毛連盟って知ってるかいと聞くと、おどろいた顔をしてこう言ったんだ。赤毛連盟は連盟に所属しているだけで名誉な事だと。もしその連盟から要員募集の通知が来たのならぜひ行くべきだと。そんなチャンスは一生に一度あるか無いか、あなたは選ばれた人なんだと。そんな事を言われたおやじは浮足だって、気分はとてもよかったんだ。それでその連盟の募集を受ける事に決めたのね。
要員の採用はあるビルの一室で行われたの。その会場に集まった人達はみんな赤い髪をしてたんだ。黒に近い赤から燃え盛るような炎の赤まで、様々な赤毛の人達がそこに集まってたんだ。一人ずつ、その面接部屋に入って行くんだけど、みんなことごとく不採用。おやじは、そんな審査の厳しいところに自分が入れるのかと心配になってきたんだよね。
いよいよおやじの番。おそるおそる部屋に入った瞬間、そこにいた面接官がおやじの赤毛に大絶賛。数人いた面接官は皆、立ち上がり、おやじを褒めたたえたんだ。君しかいない、君が最高だと。その絶賛っぷりは、あとに続く応募者を必要無しと判断して帰してしまうほどにだったんだ。そうしておやじはめでたく赤毛連盟の一員になることが出来たんだ。
じゃあ実際、赤毛連盟に入って何をするのかと言えば、意外にも拍子抜けすることだったんだ。毎日朝7時から昼の3時まで、イギリスの大辞典をAからZまで書き写してくれと。場所はこのビルの別の一室。必要なものは言ってくれれば何でも用意はするからと。それさえこなしてくれれば、賃金を払うからと。こう言われたんだよね。
おやじは、朝7時から昼の3時なら質屋にも客入りは少ない。まだ未熟だけれどあの青年に任せておいてもいいか。なにより賃金が高い。質屋で同じ時間帯で売り上げるよりも遥かに儲かる。と、こう考えてその連盟の要求を飲むことにしたんだよね。
その次の日から毎日、連盟のビルに通い、朝から昼までひたすら大辞典を書き写したんだ。帰りには約束された賃金も受け取り続けたんだ。はじめは、うまい話に戸惑うおやじだったけど、そんな毎日が続く事で次第に受け入れていったんだ。そんな毎日が続いて、大辞典のAの項目が今日一日で終わろうというある日。朝、ビルに入ろうとしたら扉に貼紙がしてあったんだ。
「赤毛連盟は解散しました」
鳩が豆鉄砲を喰らったようなおやじは、訳が分からなくなって、どうしようもなくホームズのところに相談に行くんだ。物語はそこから始まるのね。
続きは青空文庫でどうぞ。
アーサーコナンドイル・シャーロックホームズ・赤毛連盟
http://www.aozora.gr.jp/cards/000009/card8.html
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