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「最高裁に従う必要なし」 婚外子相続で自民法務部会が“放言”連発

楽天SocialNewsに投稿!
2013年11月1日 掲載

「正妻への手当拡充とセットに」の声も


違憲判決に「ものすごく悔しい」と発言した高市早苗政調会長/(C)日刊ゲンダイ
 婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法規定を違憲とした最高裁決定を受け、民法改正の協議に入った自民党の法務部会がハチャメチャなことになっている。

 安倍首相を筆頭に、自民党には昔ながらの家族制度を守ることが重要だと考えるガチガチの保守派議員が少なくない。高市政調会長が最高裁の違憲判決を「ものすごく悔しい」と発言したのにはのけぞったが、29日に党本部で開かれた法務部会でも、婚外子の格差規定撤廃に反対する意見が相次いだ。部会は基本的にマスコミ非公開だが、ヒートアップした声は壁を通じて漏れ聞こえてくる。その内容が凄まじい。

「正妻の子と愛人の子を同等にしていいのか」
「保守政党として家族を重視する姿勢を打ち出すべきだ」

「どうしても格差撤廃の法改正をするのなら、正妻への手当拡充とセットにすべきだ」
 ア然とする発言だが、部会では拍手喝采。愛人だと“手当”がないから、相対的に婚外出産が減るということらしい。

 三権分立を分かっていないんじゃないかと、首をひねりたくなるような意見もあった。

「国民に近い国会が立法作業をする。その後にくるのが最高裁だ」
「司法の暴走だ」
「最高裁が変な判断をしたら、国会議員が拒否しないといけない」
「そもそも今の憲法が常識に欠けている」
「だから憲法改正すべきなんだ」

 本当に立法府の一員なのかと、疑わざるを得ない発言ばかりである。

「今の自民党には歪んだ考え方を持っている議員が多すぎます。憲法を守り、決めた法律には従う。それが法治国家の基本です。国会議員は率先して憲法を守る義務がある。最高裁が違憲と判断した場合、立法府が速やかに改正手続きに入るのは当然のことです。それなのに、司法の暴走だとか、憲法が悪いと言うのは傲慢だし、法の支配について理解がなさすぎる。暴走しているのは自民党の方です」(政治評論家・森田実氏)

 こんな順法精神のない連中に、国民を義務でがんじがらめにする改憲をやられたらたまらないのだ。
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