Jリーグのヤマザキナビスコ・カップの決勝が2日、東京・国立競技場で行われ、柏が浦和に1―0で競り勝ち、14年ぶり2度目の優勝を飾った。柏は2011年のJ1と昨季の天皇杯全日本選手権に続き3季連続で国内主要タイトルを手にした。柏は前半ロスタイムに工藤が右クロスを頭で合わせて先制。試合を通じてほぼ守勢だったが、粘り強く守り切った。最優秀選手には決勝点を挙げた工藤が選ばれた。
勝負を決めたのは、やはりこの男だった。両リーム無得点で迎えた前半ロスタイムだ。
柏は右サイドを攻め上がったDF藤田がゴール前めがけて鋭いクロスを上げる。これに浦和DF陣の裏を突いたFW工藤がピンポイントで合わせ、ヘッドでゴール右隅へと突き刺した。「あの時間帯に、ワンチャンスを決められてよかった」と工藤が振り返った値千金の先制弾で一気に流れを引き寄せた。
後半に入ると点を取るしかない浦和が猛攻を仕掛けるが、DF陣の奮闘で虎の子の1点を守りきって試合終了。14年ぶり2回目のナビスコカップ制覇を果たし、ピッチ上には歓喜の輪が広がった。
MVPはもちろん決勝点の工藤。「自分が取れると思っていなくて、実感はまだないですけど…」と興奮冷めやらぬ様子だったが「まあ結婚式とかかな。現実的ですけど」とゲットした賞金100万円は9月に入籍したばかりの新妻のため、オフに予定する結婚式の足しにするつもりだ。
自身にとっては“リベンジ”の舞台だった。「ピッチの上で勝利の瞬間を迎えて壇上にあがりたかった」。今年の元日に行われた天皇杯決勝のG大阪戦で工藤は累積警告で出場停止のため、ベンチの外からVの瞬間を見届けた。その悔しさを同じカップ戦の決勝という舞台で晴らそうと固く誓っていたのだ。
「下馬評ではレイソルが厳しいと言われていたけど、勝負強さを見せられた」と胸を張った工藤。その視線の先には、さらなる大舞台をとらえる。来年に迫るブラジルW杯だ。「選んで頂いた時にやれる自信はある」と堂々と口にする。日本代表は得点力不足に悩み不振が続いているだけに「今良くないという中で、自分が少しでも手助けをして変えていければ」とA代表の救世主となる覚悟を持っている。
柏のヒーローから、今度は日本のエース襲名を狙う。
一宮競輪開場63周年記念(GⅢ・毛織王冠争奪戦)は29日、決勝が行われ、関東3番手にいた長塚智広が、猛然と迫ってきた浅井康太に伸び勝って優勝を手にした。