資本主義の歴史は何度も好況、バブルの形成と崩壊、不況、恐慌を繰り返しています。産業が衰退し、とっくの昔に不況になっていたはずですが、不動産や金融市場で好況を見せかけの保ってきたアメリカも欧州も、2008年のバブル崩壊以降、大変な不況に突入し、出口を失いました。
先進国の景気はこのまま停滞したままでは資本主義が成り立ちません。資本主義とは成長を前提にしているからです。
日本では不幸な事に東関東大震災が起き、戦後の焼け野原のような地域が出てしまい、その地域の復興で景気の回復が始まっています。与党が間抜けな民主党でなければ、もっと早期に復興景気が始まっていたことでしょう。
スクラップアンドビルド=ヨーロッパで戦争?今はまずあり得ないでしょう。
唯一、ユーロ圏で財政的に健全なドイツがギリシャ、イタリア、スペイン等の金融危機を救済する振りをして、最終的には主権を奪ってしまう事態は予想されます。
そうなった時、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル国民はどのような反応をするでしょうか?
主権を奪われているのですから、軍隊も警察もドイツの思い通りになります。
最終的には政治統合され、ユーロという国か、大ドイツ帝国が出来るように思われ、それを嫌うイギリスがアメリカを引き込み再び潰しにかかる戦争が10~20年後に起こる可能性はあります。
話が逸れました。
資本主義とは、多数の人からお金を集め、会社を作り、雇用と消費を伸ばし、人々の生活水準を向上させることが目的とされていて、それがうまく機能していたので、今の生活が有るのです。
一方、90年代以降の投機的な資本主義、しかも、博打主が必ず勝つことが決まっているカジノのような紫紺主義が台頭し、中産階級を貧困そうにたたき落としてしまいました。
Wikipediaから拝借した下の「資本主義のピラミッド」のポスターにも描かれている通り、はじめから資本主義とは一部の支配者に権力と富が集中するシステムです。

このポスターは1911年製であることが記されていますが、すでに100年前に、資本主義の構造を理解し、批判する運動が有ったのです。
100年前に描かれたとうのに、現在の腐敗した資本主義が描かれています。
ピラミッドの下から2番目の人たちが堕落していますが、これが今の資本家たちの姿です。
本来ここには、無欲な気概のある人々で構成されているべきなのです。
人々の生活を向上させる為に注力する人たちがいなくてはならない場所なのです。
資本家たちは、当時、労働者階級があまりにも虐げられた存在であったため、それ以上の経済発展が頭打ちになっていました。
そこで彼らに革命を起こす資金を投じて、資本家によりあらかじめ用意されていた人物を支配者に仕立て上げ、民主主義という見せかけの自由を与え、愛国心を芽生えさせ、生産性を高め、消費を高める事で中産階級を大量に作り出しました。
石炭燃料により第一次産業革命、石油燃料により第二次産業革命が起き、中産階級はある程度の富を享受できるようになり、現在まで資本主義は続いてきました。
特に、我々、日本人は、資本主義に何の疑問も持たずに学校に通い、従順で、生産性の高い中産階級に育て上げられてきました。
現在のギリシャの問題は、このシステムが崩壊し、年金も引き下げられ、失業率は20%を超え、中産階級が当時の労働者階級のように虐げられていた状態に戻るという事を意味しています。
支配者は、民主主義と資本主義のパッケージで国家を安定させていたのです。
90年代以降の世界では、英米の中産階級の賃金、待遇も上がり、生産コストの安い発展途上国に生産を移したため、国内産業が衰退し、経済を金融中心にしました。
発展途上国での搾取的な収入により、上のポスターの下から2番目のグループの資本家が、新自由主義で大きな資金力を持つようになりました。私利私欲のみを考える人たちが大きな力を持つようになりました。
上のポスター上層部の国の中枢をも飲み込む存在にまで巨大化してしまいました。先日の韓国の記事でいうサムスンがその一例です。
日本で言うと経団連。
http://seetell.jp/12750(転載)
経団連は1400の企業を会員とする、強固で排他的な財界の圧力団体である。 かつて戦争に加担して利益を得、日本人の生活を支配したことから戦後アメリカの占領政策によって禁止された財閥の現代版とも言えるだろう。 それは日本に置いてビジネスを支配する役割を果たし、官僚や政治家とともに、経済のみならず教育から予算まで、国民生活のほとんど全ての局面をコントロールしているのだ。
(転載終わり)
私は日経新聞などで「日本企業大赤字」とかの見出しを目にすると、やはり日本人として、非常に心配になってしまいます。やはり、日本企業にはがんばって欲しいと思っていますが、「企業は人也」だった日本企業は20年前からどんどん欧米化し、すっかり「企業はカネ也」になってしまいました。
その煽りをもろに食らっているのが、いまの日本企業で働く人たちでしょう。
私の暮らすフィリピンでは、工員のほとんどは派遣社員です。
日本よりずっと先にスペイン式の社会が有り、アメリカ式の雇用形態が導入されていましたので、派遣切りなんて当たり前。
ここフィリピンこそ、資本主義を悪用した結果が見える国は無いと思うのです。
一部の大企業が政治を動かし、少ない中産階級の下に、多数の低賃金労働者とそれに群がる大勢の家族と親類たち。
本当にひどい格差です。これが、ギリシャを発端として、世界中に展開しそうなのです。
これを回避するにはどうしたら良いのでしょうか?
マレーシアの例ですが、当時のマハティール首相がルックイースト政策で、日本を見習い世界の工場からスタートし、独立心の強い華僑系の人々が次々と中小企業を作り、国産自動車を作れるまで国力を発展させました。その後もマレーシアは、競争力のある賃金とインフラで製造業が盛んです。日系企業も内需指向で進出しています。
インドネシアの人口は2億4千万人です。近年、インドレシアに進出している企業はどれも内需指向型ばかりです。
答えは「内需の拡大」ただそれだけです。
中国のように世界の工場になるだけでは駄目なのです。
毒ギョウザ、メラニン入りミルク、毒ドッグフードを世界に輸出するなんてもってのほかです。裕福な中国人は中国産の食品は買わないそうです。
社員、つまり労働者であり消費者でもある国民を幸せにしなければ、資本家も政治家も失格なのです。
人生の最大の目的とは、人の役に立つ事なのです。
政治家や資本家になれば尚更、人のために尽くすことが自分の幸せになることを理解している人物でなければなりません。
今の世界の政治家に、そんな人物はいません。
特に日本には・・・
人の役に立つ大志を抱いている人物がいても、官僚の都合で、メディアを使い潰されてしまいます。
何故でしょうか?
官僚に富が集中するシステムを壊されるからです。
対米従属を保ちつつ、米国の傘の下で政治家に政治をやらせず、官僚の思い通りに日本人をだまし続けたいのです。
アメリカを真似て資本主義を悪用し、変質してしまった日本企業。
これでは世界に新製品を優れた送り出すこともできません。
会社とは地球の資源、社会から預かった資金と人材を大切に、有効に活用し、社会に還元する物でなければならないのです。
私たちがこの世に生まれてきたのもそれが目的なのです。
それが神さまとの約束なのです。
安心してください。自然の法則で、間違った政治家、企業は必ず淘汰されるのです。
そして、資本主義の悪用も出来なくなる日が来るでしょう。
投機を規制するグラス・スティーガル法が再度発令され、どのような名前になるか分かりませんが、必要以上に資源を消費しない(出来なくなる)社会システムが登場するでしょう。
そのためには、私たち、一人一人が精進しなくてはなりません。
私自身、出来るかなぁ・・・・