【ロンドン=松崎雄典】米コーヒーチェーン大手スターバックスの英国法人は、2013年から2年にわたり2千万ポンド(約26億円)の法人税を「法の求めを超えて」(同社)支払うことで英当局と合意した。海外の低税率国を使って利益を低く抑える手法に消費者などから反発が強まったためだ。
米アマゾン・ドット・コムや米グーグルも批判の対象になっており、日本企業も含む、多くの国で活動する企業の節税対策に影響が広がる可能性がある。
スターバックスは1998年に英国に進出し、累計30億ポンドの売上高を計上したが、法人税の支払いは860万ポンドにとどまっていた。課税対象となる利益が発生した年は1年しかなかった。今後2年は「利益に関係なく」1千万ポンドずつ支払う。
利益を抑えた手法は主に2つ。(1)コーヒー豆をスイスの子会社を経由して2割増しの価格で買う(2)コーヒー製法の知的財産権や商標権の使用料をオランダの欧州本社に納める――。「合法」(スターバックス)だが、税率が低いスイスやオランダに利益を移転する手法だ。
10月のロイター通信の報道をきっかけに政治家や消費者に反発が広がった。スターバックスは英国市場は競争が激しく、利益を上げにくいと主張している。同社は約760の店舗を展開するが、1500店を構える「コスタ」など競合店は多い。
議会の公会計委員会には、スターバックスやアマゾン、グーグルの代表者が呼ばれ、「法律違反ではなく道徳違反で糾弾している」(ホッジ公会計委員長)と批判を受けた。アマゾンはルクセンブルク、グーグルはアイルランドと、低税率国を利用して英国での税金支払いを抑えている。こうした手法は日本企業でも一般的に使われており、影響がさらに広がる可能性がある。
緊縮財政を進める英国では、オズボーン英財務相が5日、「税金逃れ対策で20億ポンドを取り戻せる」と表明。企業の税逃れを批判する団体「アンカット」は、今週末にスターバックスの店舗で座り込みを行うと主張している。消費者にボイコットの動きが出ていることが、スターバックスの税金支払いを決断させた。
スターバックス、オズボーン、グーグル、アマゾン・ドット・コム、ロイター通信
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