2013.7.20 05:03

西田敏行、お別れの言葉「すべて三國連太郎」

お別れの言葉で、三國連太郎さんの役者魂をたたえた西田敏行

お別れの言葉で、三國連太郎さんの役者魂をたたえた西田敏行【拡大】

 4月に急性呼吸不全のため死去した俳優、三國連太郎さん(享年90)のお別れの会が19日、東京・六本木のグランドハイアット東京で営まれた。関係者やファンら約1000人が参列する中、映画「釣りバカ日誌」シリーズでコンビを組んだ俳優、西田敏行(65)がお別れの言葉を述べ、「実に見事な生涯でした」と故人を称賛。

★西田敏行、お別れの言葉

 本名、佐藤政雄として壮絶なる生い立ちを経て映画界に入られ、初の出演は木下惠介監督作品「善魔」。三國連太郎という若き新聞記者を無我夢中で新人俳優、佐藤政雄は演じました。以来、佐藤政雄は髪の先から爪先まで、すべて三國連太郎で覆われ、視界から消えました。

 22年間ご一緒した映画「釣りバカ日誌」のあの愛すべきスーさんも、三國連太郎は演じました。私の知る限り、一度も佐藤政雄が姿を見せたことはなかったように思います。出演映画作品183本、すべて三國連太郎が演じました。

 やがて、三國連太郎は老いたる獅子のごとく、群れからソッと離れ、これまで歩んできた道に残った足跡をソッと自ら消し、ついて行こうとする後輩たちに、この道は三國連太郎しか歩むことのできない道であると、無言で諭してくれました。

 あなたが歩んだ役者道は誰1人、踏まれることのできない、あなただけの1本道です。私も、私の役者道を命尽きるまで歩む決心を致しました。本当にありがとうございました。(一部抜粋)

映画「釣りバカ日誌」で共演した浅田美代子(57)の話 「すごく怖いイメージがあったけど、現場に自分の犬を連れてきて、犬と一緒にいる姿がいつもと違う感じだった」

映画「八甲田山」で共演した北大路欣也(70)の話 「19歳のとき、初めてご一緒しました。ある先輩が体調を崩し、三國さんが代わりに出演してくださったんです。僕たち若者を見てどう思いますか?と冗談のように質問したら、『ヤワだね』と。ちっきしょ~、ヤワかと思いました。その言葉は今でも響いています」

(紙面から)