質問5,6:練習とレースのペース&閾値走のペースアップ
今日は、残っていた質問コメントを週末なので一気にお答え。
お二方とも、おっさんなので手短に(コラー!笑)
それほどたくさん書くことがないので内容が違いますがまとめさせて頂きます。
質問5:練習トレースで楽なペースが違うことについて
練習とレースでは同じペースでも心拍数で10程度ちがうし、練習ではスピードを出せないので、持ちタイムから算出したIペースやTペースのスピードが異常に速く感じる。これはどういうことなのか。遅いペースでも心拍数もあるので練習効果が得られているのか?
というご質問でした。
これについては、以前、同じような記事を書いていて、練習とレースでギャップがある件ただ、結論が出ていない記事でした。
レースでは速く走れるが、練習では速く走れないのは
・レースほど、準備していないから、体調を整えていないから
・練習で速く走ろうと思っていないから
・レースの方が給水など走り易い環境
・レースウェアと練習用ウェアの違い
練習で本当に速く走る必要性を感じていないのが最大の理由じゃないかと思います。インターバル走なり、閾値走なり、ある練習目的を持って行うわけですが、その目的を理解しやり遂げようという意識がないと、単に苦しいだけの練習になってしまいます。レースも途中、やる気をなくすと、途端に苦しいだけのレースになってしまいますよね。
心拍数に関しては知見を持ちません。それほど変わること自体が不思議に思います。食事からの時間、練習時間帯など変動要素はあるかと思いますが。心拍数については、同じような条件で測定しないと差異が出てもおかしくないとは思います。
練習効果についてですが、例えばサブ3のVDOT 54の閾値ペースは、04'00/km、Iペースは、03'41/kmです。
閾値ペース走を04'15/kmのMペースで走っては、Mペースでの効果となります。
閾値走では、乳酸性作業域値を向上させる目的で走りますから、まさに閾値を少し超えた辺りで走ることで体はそれに耐えるように作り変えようと頑張ってくれるわけです。
もっとも、体調自体が一定でいつも調子が良いわけではなく、筋肉疲労や仕事疲れなどでいつものペースが出せないこともあります。その場合も心拍数は定常の閾値心拍かもしれません。心拍数ベースで実施したら、同じ閾値効果は得られたと考えても良さそうですが、では何故、調子の良い時と調子が悪い中でのペースが遅い練習が同じ心拍数なのでしょうか? そこに問題があるように思えます。
その練習は、定常の閾値走と同じ効果が得られたのでしょうか?
私は得られていないと考えます。疲れや体の不調時に無理に練習してもオーバートレーニングを招くだけで、頑張った割りに効果としては低いことになると考えます。閾値走に限りませんが、疲れているのに頑張って走り、結果を出せないというのは残念ですよね。
勿論、疲れた中での練習、ひいてはどんな練習もマラソンに向けては何らかの向上効果はあります。無駄な練習というものは無いとは思いますが、努力に応じた成果としては小さいのかなと思います。以上、私見です。
質問6:閾値走で最後にペースアップしたら、練習効果を損なうのか?
改めて、乳酸性作業域値(LT値)について、認識しておきましょうか。
運動強度を徐々に上げて行くと、マラソンの場合、徐々にペースを上げて速く走ると、血中の乳酸濃度が、2ミリモルを超え、3ミリモルあたりで急に上昇するポイントがある。それが乳酸の域値であり、Lactate Thresholdの略でLT値と呼んでいます。
ではそれ以上のペースアップをしたらどうなるかと言うと、血中乳酸濃度が更に上昇を続け一方的に溜まる展開になる。苦しい割りに、乳酸性作業域値を高めるという刺激では同じか効果が低下する。
生理学的に生物の体はある刺激に対して、次に備えようとして強化を図る。しかし刺激が大きすぎると備えようとする前に破壊とまで行かないが対応不能な状況になる。
閾値走の肝は、適正な閾値近辺のペースを守って走ることで、乳酸性作業域値を向上させることであり、より速いペースのランニングは、インターバル走など、最大酸素摂取能力を刺激する目的の練習を行うべきである。
また、閾値走は適切なペースで走り通すことで、オーバートレーニングを防ぎ、継続しやすい練習となります。
詳しくは書いていませんが、多分、生理学的に見ると、乳酸性作業域値の辺りで走っていると、体が懸命に乳酸を処理して無くそうと頑張り次に同じ刺激が来た時により向上していようと備えるのだと思います。余り急に上昇すると処理はするけど、負債が大きくて頑張れないと思うのかもしれません。
そうは言っても忙しい市民ランナー、閾値走もインターバル走も何度も行えないのが現実。そこで練習効果を理解した上でアレンジしたら良いのです。
例えば、5kmを20分一定で走り、それで20分間の閾値走練習とし、そのまま、追加で1kmをインターバル走ペースに上げて走り切る。そうすれば、20分間の閾値効果と、閾値走のまま走るので、インターバル走ペース、1kmはほぼ3分間以上の最大酸素摂取能力(VO2max)を得ることになります。多分、死にますが(笑)
ちんたコーチに閾値走5km+Iペース1kmを指示するように言っておこう(笑)
別アレンジとしてはビルド走。5km Eペース+5km Mペース+5km Tペース+1km Iペース
これは平日の1時間じゃ出来ないから休日のポイント練習となりますけど。
尚、記録志向のランナーは、なり振り構わぬことも大事です。心拍計が黒いブラジャーぽいとか思っていると速くなれません(笑)。もっとも、形に拘るのも大事で、それが婚活での勝利につながっているんだろうけどね。自分の場合、もう関係ないので格好はどうでも良いんだよね。心拍計は練習では欠かせないアイテムになりました。
黒いシャツ着れば、目立たないんじゃないかな。

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お二方とも、おっさんなので手短に(コラー!笑)
それほどたくさん書くことがないので内容が違いますがまとめさせて頂きます。
質問5:練習トレースで楽なペースが違うことについて
練習とレースでは同じペースでも心拍数で10程度ちがうし、練習ではスピードを出せないので、持ちタイムから算出したIペースやTペースのスピードが異常に速く感じる。これはどういうことなのか。遅いペースでも心拍数もあるので練習効果が得られているのか?
というご質問でした。
これについては、以前、同じような記事を書いていて、練習とレースでギャップがある件ただ、結論が出ていない記事でした。
レースでは速く走れるが、練習では速く走れないのは
・レースほど、準備していないから、体調を整えていないから
・練習で速く走ろうと思っていないから
・レースの方が給水など走り易い環境
・レースウェアと練習用ウェアの違い
練習で本当に速く走る必要性を感じていないのが最大の理由じゃないかと思います。インターバル走なり、閾値走なり、ある練習目的を持って行うわけですが、その目的を理解しやり遂げようという意識がないと、単に苦しいだけの練習になってしまいます。レースも途中、やる気をなくすと、途端に苦しいだけのレースになってしまいますよね。
心拍数に関しては知見を持ちません。それほど変わること自体が不思議に思います。食事からの時間、練習時間帯など変動要素はあるかと思いますが。心拍数については、同じような条件で測定しないと差異が出てもおかしくないとは思います。
練習効果についてですが、例えばサブ3のVDOT 54の閾値ペースは、04'00/km、Iペースは、03'41/kmです。
閾値ペース走を04'15/kmのMペースで走っては、Mペースでの効果となります。
閾値走では、乳酸性作業域値を向上させる目的で走りますから、まさに閾値を少し超えた辺りで走ることで体はそれに耐えるように作り変えようと頑張ってくれるわけです。
もっとも、体調自体が一定でいつも調子が良いわけではなく、筋肉疲労や仕事疲れなどでいつものペースが出せないこともあります。その場合も心拍数は定常の閾値心拍かもしれません。心拍数ベースで実施したら、同じ閾値効果は得られたと考えても良さそうですが、では何故、調子の良い時と調子が悪い中でのペースが遅い練習が同じ心拍数なのでしょうか? そこに問題があるように思えます。
その練習は、定常の閾値走と同じ効果が得られたのでしょうか?
私は得られていないと考えます。疲れや体の不調時に無理に練習してもオーバートレーニングを招くだけで、頑張った割りに効果としては低いことになると考えます。閾値走に限りませんが、疲れているのに頑張って走り、結果を出せないというのは残念ですよね。
勿論、疲れた中での練習、ひいてはどんな練習もマラソンに向けては何らかの向上効果はあります。無駄な練習というものは無いとは思いますが、努力に応じた成果としては小さいのかなと思います。以上、私見です。
質問6:閾値走で最後にペースアップしたら、練習効果を損なうのか?
改めて、乳酸性作業域値(LT値)について、認識しておきましょうか。
運動強度を徐々に上げて行くと、マラソンの場合、徐々にペースを上げて速く走ると、血中の乳酸濃度が、2ミリモルを超え、3ミリモルあたりで急に上昇するポイントがある。それが乳酸の域値であり、Lactate Thresholdの略でLT値と呼んでいます。
ではそれ以上のペースアップをしたらどうなるかと言うと、血中乳酸濃度が更に上昇を続け一方的に溜まる展開になる。苦しい割りに、乳酸性作業域値を高めるという刺激では同じか効果が低下する。
生理学的に生物の体はある刺激に対して、次に備えようとして強化を図る。しかし刺激が大きすぎると備えようとする前に破壊とまで行かないが対応不能な状況になる。
閾値走の肝は、適正な閾値近辺のペースを守って走ることで、乳酸性作業域値を向上させることであり、より速いペースのランニングは、インターバル走など、最大酸素摂取能力を刺激する目的の練習を行うべきである。
また、閾値走は適切なペースで走り通すことで、オーバートレーニングを防ぎ、継続しやすい練習となります。
詳しくは書いていませんが、多分、生理学的に見ると、乳酸性作業域値の辺りで走っていると、体が懸命に乳酸を処理して無くそうと頑張り次に同じ刺激が来た時により向上していようと備えるのだと思います。余り急に上昇すると処理はするけど、負債が大きくて頑張れないと思うのかもしれません。
そうは言っても忙しい市民ランナー、閾値走もインターバル走も何度も行えないのが現実。そこで練習効果を理解した上でアレンジしたら良いのです。
例えば、5kmを20分一定で走り、それで20分間の閾値走練習とし、そのまま、追加で1kmをインターバル走ペースに上げて走り切る。そうすれば、20分間の閾値効果と、閾値走のまま走るので、インターバル走ペース、1kmはほぼ3分間以上の最大酸素摂取能力(VO2max)を得ることになります。多分、死にますが(笑)
ちんたコーチに閾値走5km+Iペース1kmを指示するように言っておこう(笑)
別アレンジとしてはビルド走。5km Eペース+5km Mペース+5km Tペース+1km Iペース
これは平日の1時間じゃ出来ないから休日のポイント練習となりますけど。
尚、記録志向のランナーは、なり振り構わぬことも大事です。心拍計が黒いブラジャーぽいとか思っていると速くなれません(笑)。もっとも、形に拘るのも大事で、それが婚活での勝利につながっているんだろうけどね。自分の場合、もう関係ないので格好はどうでも良いんだよね。心拍計は練習では欠かせないアイテムになりました。
黒いシャツ着れば、目立たないんじゃないかな。
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コメント
質問6の、乳酸云々の部分は、私も詳しくありませんが、多分正しくありません。(最近、乳酸そのものが疲労物質であるというのは誤りとされています。)
それはさておき、LT閾値ペースは無酸素運動と有酸素運動のちょうど境目くらい。速筋で作られた乳酸が血液に出て(だから血中乳酸が高い)、それが遅筋に回ってエネルギーにかわる。ちょうどそのあたりなので、そのような強度の練習をする中で身体がそのサイクルをするのに慣れて、より効率的にできるようになるのではないかと想像しています。
また、その強度で走るという運動をすることで、その強度での身体の動きが良くなり、ランニングエコノミーも上がって、結果としてLT閾値の速度が上がる、ということもあるのではないかと思っています。
いずれも素人のコメントですが。。。
それはさておき、LT閾値ペースは無酸素運動と有酸素運動のちょうど境目くらい。速筋で作られた乳酸が血液に出て(だから血中乳酸が高い)、それが遅筋に回ってエネルギーにかわる。ちょうどそのあたりなので、そのような強度の練習をする中で身体がそのサイクルをするのに慣れて、より効率的にできるようになるのではないかと想像しています。
また、その強度で走るという運動をすることで、その強度での身体の動きが良くなり、ランニングエコノミーも上がって、結果としてLT閾値の速度が上がる、ということもあるのではないかと思っています。
いずれも素人のコメントですが。。。
mekeponさん
叱咤激励というか厳しく言った積もりは無いのです。
ただ趣味の世界で取り組んでいる練習で、普段は、実際の走力に身合ったペースでの練習で追い込んで練習しない人が大半なんだろうと思っているだけです。
ブログ村を見ていると、ここはポイントという時には皆さん、追い込んだ練習をされていますし、気持ちの持ちようだろうと思います。
自分の場合、年齢的に後が無いのと、練習時間も限られているので、1回1回がこれで走るという思いで走っているだけなのです。
引退間際の選手とまだまだのバリバリ選手の立場の違いみたいなものじゃないでしょうか?
それに辛い練習は続きませんから。
ただ趣味の世界で取り組んでいる練習で、普段は、実際の走力に身合ったペースでの練習で追い込んで練習しない人が大半なんだろうと思っているだけです。
ブログ村を見ていると、ここはポイントという時には皆さん、追い込んだ練習をされていますし、気持ちの持ちようだろうと思います。
自分の場合、年齢的に後が無いのと、練習時間も限られているので、1回1回がこれで走るという思いで走っているだけなのです。
引退間際の選手とまだまだのバリバリ選手の立場の違いみたいなものじゃないでしょうか?
それに辛い練習は続きませんから。
ふらんく・ろんがーさん
記事はいつも正しく書かないといけないのですか。
こういうコメントをもらうと、書く気力が失せます。
乳酸が疲労物質でないことは私でも知っています。
記事の趣旨は、適正なペースで走ることで、必要十分な練習効果が得られ、オーバートレーニングを防げることなので、細かい話はどうでも良いのです。
こういうコメントをもらうと、書く気力が失せます。
乳酸が疲労物質でないことは私でも知っています。
記事の趣旨は、適正なペースで走ることで、必要十分な練習効果が得られ、オーバートレーニングを防げることなので、細かい話はどうでも良いのです。
リンクも拝見しました。
語りたくない精神論を語らせてしまいまして、すみません(笑)
>練習で本当に速く走る必要性を感じていないのが最大の理由じゃないかと思います
たしかにおっしゃる通りで、練習は手を抜いて、本番だけ真剣に走っている、ということかもしれません。潜在的な能力をどこまで顕在化させるか、という意識の低さがペースの差に、さらには心拍数の差になって現れているのだろうと思いました。
たのくるさんの今日の記事は、私への叱咤激励と捉えて、今シーズン練習に真剣に向き合ってみようと思います。大田原でお見かけした時は、お声を掛けさせていただきます!