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山本太郎を「田中正造に匹敵」とコキ下ろすアホらしさ

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2013年11月2日 掲載
 秋の園遊会で天皇陛下に手紙を渡した山本太郎参院議員(38)が、猛バッシングを浴びている。山本本人は「原発事故の現状をお伝えした。この国に生きる、この星に生きる命のひとつとして、思いを伝えたかった」と釈明していたが、天皇大権の時代じゃあるまいし、この時代に陛下への“直訴”は意味のあることとは思えない。

 いきなり手紙を差し出すのも失礼だし、園遊会で陛下に声をかけることが禁じられているのは暗黙のルール。スピード離婚や隠し子騒動と醜聞まみれの男に常識を求めても仕方ないのかも知れないが、曲がりなりにも国会議員なら、公人が持つべき良識や常識を踏まえるべきだ。

 それにしても、だ。山本の非常識な行動に、「政治利用を意図したもので、許されない」「議員辞職ものだ」と怒り狂って、血祭りに上げている与野党議員はやりすぎじゃないか。下村博文・文科相は、足尾鉱毒事件で明治天皇に直訴を試みた「田中正造に匹敵する」とまで口にする始末だ。

 悲惨な鉱毒被害にやむにやまれず、危険を承知で直訴に踏み切った明治の偉人と、山本を比べるなんて、どうかしている。メディアも山本をコキ下ろしているが、今は不敬罪で死刑になった時代じゃない。明治憲法下に逆戻りしたかのような時代錯誤のムードは異常だ。
「山本議員を批判する政治家やメディアは、騒げば騒ぐほど、彼のメッセージが世間に広まり、彼の“政治利用”に加担していることに気づかないのでしょうか。もっと言えば陛下の威光を借りて、一介の議員のバッジを外しにかかることこそ、逆に天皇の政治利用にあたると思います」(政治評論家・本澤二郎氏)

 ちなみに、直訴後に拘束された田中正造はどう処分されたか。明治政府は鉱毒に対する世論の沸騰を危惧し、田中を狂人に仕立て上げ、拘束の翌朝、何の罪にも問わずに釈放した。そんな暗い時代すら想起させる嫌な雰囲気を感じる。
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