鳥に近い草食恐竜 モンゴルで巣を発見11月2日 6時17分
モンゴルの砂漠の7200万年以上前の地層から、鳥に近い特徴を持つ草食恐竜の巣が、少なくとも18個、集中して見つかりました。この恐竜は集団で巣を作って繁殖をしていたと考えられ、調査に当たった北海道大学などの研究グループは、恐竜から鳥への進化の過程を探るうえで、重要な調査結果だとしています。
この調査結果は、北海道大学総合博物館の小林快次准教授を中心とした研究グループが、日本時間の2日、アメリカで開かれた古脊椎動物学会で発表しました。
グループによりますと、モンゴルの砂漠の9000万年から7200万年前の地層で、縦20メートル、横50メートルほどの範囲に恐竜が卵を産んだ巣が、少なくとも18個、集中して見つかりました。
調べた結果、この卵は、2本足で歩く中型の草食恐竜、「テリジノサウルス類」のものと考えられ、およそ70パーセントの卵が無事ふ化していたということです。
研究グループでは、集団で繁殖活動をすることで、外敵から卵を守っていた可能性が高いとしています。
テリジノサウルス類は体のつくりなどが鳥に近いとされていて、集団で繁殖をしていたことが明らかになるのは初めてです。
小林准教授は「テリジノサウルス類の生態は未解明の部分が多いが、繁殖の行動が見えてきたことは鳥への進化を探るうえで意義が大きい」と話していました。
今回の発見について国立科学博物館の真鍋真研究主幹は「テリジノサウルスは元は肉食だった恐竜が草食に進化したものと考えられていて、集団で繁殖するという生態は草食に進化したことで獲得したのではないか。形態的にも鳥に近い恐竜なので、は虫類のように親がただ卵を産むだけではなく、鳥のように『育てる』行動をしていたのかもしれない」と話しています。
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