【イスラマバード=武石英史郎】パキスタン北西部の部族地域で1日、反政府武装勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)の最高指導者ハキムラ・メスード司令官が、米中央情報局(CIA)の無人機による爆撃を受けて死亡した。地元テレビなどが伝えた。

 報道によると、1日夕、TTPが根拠地とする北ワジリスタン地区の潜伏先に、メスード司令官を乗せた車が戻ったところ、4回の爆撃があり、護衛や親族ら少なくとも5人とともに死亡したという。

 メスード司令官は2009年、TTPの最初の指導者ベイトゥラ・メスード司令官が無人機爆撃で死亡したのを受けて後継者となった。これまでたびたび死亡説が流れていた。今回は、現地の治安当局者とTTPの双方が非公式に死亡を確認したという。

 TTPは、パキスタン全土で政府機関や軍、外国人を標的にしたテロを繰り返し、治安悪化の最大の原因となってきた。今回のハキムラ・メスード司令官の死はTTPにとって大きな打撃となるが、治安当局は報復テロが起きる可能性があるとみて、全土で警戒態勢を取り始めた。

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