広島市で2日、特定秘密保護法案に反対する市民ら約200人が廃案を求めるデモ行進をした。「知る権利が脅かされる」「秘密が無制限に拡大すれば、戦前のような言論統制につながる」――。6日以降も奈良市や大阪市で抗議集会などが予定されており、法案の危うさを感じる人たちが立ち上がりつつある。

 広島でのデモ行進は平和団体などで作る「STOP!国家秘密法広島ネットワーク」が主催した。参加者は「STOP! 秘密法」と書いた横断幕を掲げて平和記念公園を出発し、約2キロを練り歩いた。

 広島県府中町の会社員弓場(ゆみば)則子さん(40)は20~40代の母親が中心の脱原発グループ「ポコ・ア・ポコ」のメンバーで、「原発の情報が隠される危険性があると思い参加しました」。妻(75)と参加した広島市の岡本三夫さん(80)は「自由に発言できない時代を繰り返してはいけない」と話していた。

 6日には奈良市の奈良県文化会館で秘密保護法阻止県連絡会が結成集会を開催(問い合わせは奈良民医連の松下光人さん=090・9982・5300)。大阪市では8日にエル・おおさかで集会、12日に大阪弁護士会館を出発するデモ行進がある(同会=06・6364・1227)。特定秘密保護法に反対する市民ネットワーク(072・655・5415)も法案について考える学習会を月内に開く。(佐藤達弥)