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【コラム】

中日春秋

 中国語で「頑張れ」は、「加油」と書いて、ジャーヨウと読む。世知辛い世にあっては、牛肉ですら無理な頑張りを強いられているようだ

▼外国産の牛肉に、加油ならぬ和牛の脂を注射し加え、あたかも霜降り肉のようにする。世間で一流で通るホテルのレストランが、そんな「牛脂注入加工肉」を何の注意書きもなしに供していたという

▼牛肉だけではない。ブラックタイガーがクルマエビとされ、ロブスターが伊勢エビと称され出していた。それがメニューの「記載漏れ」「誤表示」と釈明される。そんな例が、それこそ毎日げっぷが出るほど報じられる

▼中国には「加油加醋」という言葉もあるという。醋は酢。話に尾ひれを付けて、大仰に表現するという意味らしい。どうもこの国には、メニューを書くのに、油と酢を思う存分使っている店が少なからぬようだ

▼牛脂注入加工肉をステーキとして出していたあるホテルは、ホームページに<「加工肉」とは、その材料肉の食感を高め、お客様においしく召し上がっていただくための一定の加工処理がなされた牛肉>との釈明を掲載している

▼これを読んで、「ここまで、客のためを考えてくれているのか。あそこでステーキを食べてよかった」と感心するお客がいるのか。そういえば「人の為」と書けば、「偽」になる。「客の為」と書いても同じ意味でよさそうだ。

 

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