マー君　２５歳バースデーに日本一宣言「勝ちます！」

報道陣から贈られた誕生日ケーキを前に、笑顔を見せる田中 Photo By スポニチ

　コナミ日本シリーズ２０１３は、２日にＫスタ宮城で第６戦が行われる。３勝２敗で球団創設９年目で初の日本一に王手をかけている楽天は、田中将大投手（２５）が先発する。今シリーズ第２戦でも完投勝利を挙げるなど、昨年８月から３０連勝中。星野仙一監督（６６）から完投勝利を義務付けられた無敗のエースはこの日２５歳の誕生日を迎え、ナインに日本一に導くことを宣言した。

　Ｋスタ宮城での練習開始前、円陣を組んだ時だった。秋田トレーナーがこの日、田中が２５歳の誕生日を迎えたことをナインに報告。そして、投手陣のリーダーである小山伸から「何か一言」と水を向けられた無敗のエースは、力強く宣言した。

　「あした、勝ちます！」。短い言葉に込められた決意。小山伸が「心の叫びやな」と漏らすと、笑いに包まれ、大きな拍手が湧き起こった。球団初の日本一に王手をかけて迎える大一番。田中に今季を締めくくる最高の舞台が用意された。

　「いい流れを感じながら、本拠地でいい投球をしたい」。今シリーズでは疲労を取り除くため、万全を期して第２戦に先発。１失点完投し、シリーズ初勝利をもたらした。中５日となる第６戦に向けて調整を行い、３勝２敗で本拠地に戻ってきた。この日はキャッチボール、短距離ダッシュなどで汗を流した。巨人には今季、交流戦を含めて３戦全勝。日本一連覇を狙う相手も必死なだけに「もちろん、相手は僕をつぶしに来る。僕はそれ以上のものを出して向かっていきたい」と、再び力でねじ伏せる覚悟だ。

　この日２５歳を迎えたアスリートには、昨年のロンドン五輪で銀メダルを獲得した女子卓球の福原愛もいる。仙台出身で０８年にはともに北京五輪に出場し、常に刺激を受けている。プロ入りから昨季までの６年間は全て誕生日の前にシーズンが終了。「（誕生日の時期に）野球をやっていたい」と願ってきた思いが実現した。１年目に新人王を獲得した０７年は報道陣から祝福されたが「それ以来なかったので寂しかった。何年ぶりですかね。やっぱり祝ってもらえてうれしいです」と報道陣から用意されたケーキを前に笑顔を振りまいた。

　リーグ優勝を決めた９月２６日の西武戦（西武ドーム）では１点リードの９回を締めた。ロッテとのＣＳファイナルＳでも第４戦で再び抑えで日本シリーズ進出を決めた。２度の胴上げ投手はいずれも抑え。第６戦で完投すれば初めて先発として胴上げ投手になれる。同シリーズで２完投勝利となれば９４年の巨人・槙原以来１９年ぶりとなる。

　今オフにもポスティング・システム（入札制度）を利用してメジャーに挑戦する田中にとって、２日の登板が「国内ラスト登板」となる可能性もある。巨人を倒して日本一。「田中伝説」が、間もなく完結する。 【日本シリーズ日程＆結果】