2013年11月2日11時19分
●「判断つかぬ」44%
復興庁は1日、東京電力福島第一原発事故で避難指示を受けた南相馬市の5677世帯を対象にした住民意向調査の結果を公表した。現時点で元の住所への「帰還を決めている」のは29%に過ぎず、44%が「まだ判断がつかない」、26%が「戻らない」と答えた。
復興庁、県、南相馬市の3者合同による初めての調査で8~9月に実施。回答したのは3543世帯で、回答率は62%だった。
「判断がつかない」と回答した人のうち、帰還を判断する上で必要な情報は、「道路、鉄道、学校、病院などの社会基盤や商業施設の復旧のめど」が75%、「放射線量の低下のめど」が73%、「原発の安全性に関する情報」が65%で、それぞれ上位をしめた。
また、帰還を決めた人で行政に望む支援は、「医療・介護・福祉サービスの再開」が74%、「商店の再開」が62%、「きめ細かなモニタリング(放射線量や放射能濃度の情報提供)の継続」が57%だった。
桜井勝延市長は「除染も含めてインフラ整備の完了時期が見えにくいことが、今回の結果につながっている。3割もの人が帰還の意思を示しており、国や行政がしっかりと対応し、方向性を示すことで帰還表明する人も増えてくるのでは」と話した。