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第一回 平成20年7月26日 宇治橋修造起工式(うじばししゅうぞうきこうしき)


当日の模様 平成20年7月26日(土)午前10時〜内宮宇治橋周辺

  • 丸太を打つ、斎服姿の神宮営繕部技師。
  • 節目のない美しい木肌の木づち。
  • 太鼓の音で儀式が始まる。
  • 宇治橋を渡り、饗土橋姫神社へ。
  • 神前に食事を供えて祈願。
  • 20年前の仮橋の様子。2009年の正月には同様の風景を見ることができます。

写真:神宮司庁/中野晴生

伊勢出身のカメラマン中野晴生の作品を祭典に添ってセレクトしました。フォトログギャラリーでご覧ください。

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五十鈴川に木づちの音が響く

コーン、コーン、コーン
純白の斎服(さいふく)姿の神宮営繕部技師が祭場に立てられた1mほどのヒノキの丸太に木づちを振り下ろします。
その澄んだ音。節目のない美しい木肌の木づちは、その打つ音も美しいものでした。続いて、素襖(すおう)という青い装束に烏帽子を被った橋工(はしこう)2人が順に3度ずつ丸木を打ち固めます。その木杭の先には五十鈴川の流れ。どんな橋がここに架かるのでしょうか。去る7月26日、伊勢神宮内宮で宇治橋修造起工式が行われました。
宇治橋修造起工式は、30℃を超える暑さにも関わらず式を見ようと宇治橋前に多くの報道陣やアマチュアカメラマンらが詰め掛けました。
午前10時前、「ドーン」という太鼓の音を合図に儀式に奉仕する神職らの列が粛々と宇治橋を渡ってきました。純白の装束を着けた神職4人と技師1人、その後ろには工事に関わる大工の橋工2人が続きます。
起工式は、宇治橋前にある宇治橋の守護神をまつる内宮の所管社(しょかんしゃ)の饗土橋姫神社(あえどはしひめじんじゃ)で神事が行われた後、宇治橋から約200m下流の岸辺に設けられた祭場に移りました。仮橋の架かる位置にあたります。宇治橋の上手に流木除けの木杭が立っているので、そこに仮橋が架かると思われますが、実際には宇治橋の下手、参宮案内所の西隣になります。
丸木の木杭は仮橋の橋脚に見立てられたもの。起工式に木杭打ちが行われるのはどうしてでしょう。
神宮司庁によれば、「この木杭は実際には使用しませんが、宇治橋の架け替えにあたる最初のお祭りで、土地の神様をまつり、土をうがつ〔穴を掘る〕意味もあるのでしょう」ということです。
木杭打ちを終えると、神職らは再び饗土橋姫神社に戻り、つつがなく儀式を終えたことを報告しました。

宇治橋の渡り納めと仮橋の渡り始め

起工式がすむと、仮橋の工事は年末の完成を目指して進みます。仮橋は長さ約63m、幅約6.5mと全長約101mの宇治橋よりかなり小振りで、鉄骨造り。欄干などは木造ですが、擬宝珠や鳥居はありません。宇治橋からは仮橋の作業風景を逐次目の当たりにすることができます。
そして、今年12月27日に仮橋を祓い清める仮橋修祓(しゅばつ)が行われ、来年(平成21年)2月2日の宇治橋万度麻奉下式(まんどぬさほうげしき)の後、渡ることができるようになります。
現在の宇治橋は来年2月から解体が始まるため、今年の正月は宇治橋の渡り納めで、多くの参拝者で賑わうことでしょう。
五十鈴川に架かる2つの橋。今年の正月はいつもと違った宇治橋の風景が楽しめそうです。

文:千種清美


次回予告

第二回 平成20年12月27日 仮橋修祓(かりばししゅばつ)