チームの命運はルーキーの右腕に託された。予告先発として発表された菅野。「負けたら終わり。厳しい状況だけど、勝てばチャンスも上がってくる。勝つという気持ちをいつも以上に持ってマウンドに上がりたい」。いつも通り冷静な表情の裏で、心は熱く燃え盛っていた。
相手の先発・田中とは第2戦で投げ合い、6回途中1失点と好投しながら敗れた。「相手が田中投手だから、1点がいつも以上に重くなる。粘り強く投げたい」。まずは先取点を与えないことが最重要課題だ。
レギュラーシーズンは13勝6敗。一度として連敗はなかった。黒星を自らの糧とし、同じ失敗は繰り返さない。そうやって一年を過ごしてきた。無敗の男が相手でも、それは変わらない。「周りは田中投手が勝つと思っているだろうけど、それを覆すようなピッチングをしていきたい」
シーズンの最後の最後に巡ってきた大一番。「すべてを僕に託されていると思っている。そういうプレッシャーも味方につけながらマウンドに登りたい」。ルーキーイヤーの集大成を見せる。(小林孝一郎)
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