英RBS、バッドバンク設立し資本強化へ380億ポンド移管
[ロンドン 1日 ロイター] -英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)(RBS.L: 株価, 企業情報, レポート)は、リスクの高い資産を圧縮するため、内部に「バッドバンク」を設立する。
RBSの株式81%を保有している英政府は、同行の小規模企業向け融資の拡大を目指しており、この新たな構造が融資拡大に寄与するとしている。同行の完全な分割を命じるには至らなかった。
RBSは1日、2014年に380億ポンド(610億ドル)のローンを新たなバッドバンク部門「資本整理部門」に移すと発表。英金融監督当局は過去数カ月間に、銀行の資本増強を望む立場を明確にしており、不良資産を売却または圧縮する重要度が増していると指摘した。
移管により資本に100億―110億ポンドの余裕ができるという。
資産圧縮に伴い第4・四半期に40億─45億ポンドの減損費用を計上する見通し。バッドバンクは今後2年で55―70%の資産を縮小、3年で資産をゼロとする意向だ。
ただRBSの主要個人株主からは厳しい意見もでいている。この株主はロイターに対し、「バッドバンクはあくまで内部のもの。外部に設立したなら別だが、既に内部にバッドバンクはある」とし、情報公開のために資産を移しかえるもので、基本的には以前と変化はないと述べた。
オズボーン財務相は「RBSはこの新たな方向性の下、不良資産を良好な資産から切り離し、バッドバンクに移すことで過去の問題に断固として対処する」と語った。
RBSは2015年末までにTier1(中核的自己資本)比率を約11%、その1年後に12%に引き上げる計画としている。
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