仙台三越（仙台市）は31日、山形市の中心部にある山交ビル内に小型店を出店すると発表した。三越が山形に出店するのは初めて。仙台三越の山形県からの来店客は宮城県に次いで多く、潜在需要はまだあるとみて出店を決めた。来年３月にオープンする。

　店舗名は「エムアイプラザ　三越山形店」＝イメージ。営業面積は約570平方メートル。１階の洋品店やレストラン、山形銀行の情報発信スペースが入っている場所に出店する。カジュアルな婦人服やおしゃれな雑貨、和洋菓子、ギフト品などをそろえる。年間約３億円の売り上げを見込む。

　仙台三越によると、山形県民の三越カード会員は約4000人おり、宮城県民に次いで多い。来店頻度も年６、７回と高く、需要は大きいとみている。アイテムを絞ることで、仙台三越とのすみ分けは可能としている。

　三越伊勢丹グループはエムアイプラザの名称で小型店の出店を進めており、９月に東京都青梅市に初出店した。10月には仙台市泉区に三越タピオ店を出しており、山形店は東北では２店目。山形市で記者会見した仙台三越の渡辺憲一社長は「2016年度までに東北地方であと４、５店を出したい」と述べた。

　一方、山交ビルは三越ブランドの店舗が入ることで集客増が期待できる。05年に核テナントのダイエーが撤退して以降、地下１階に食品スーパーのヤマザワが入ったが、集客は苦戦している。１日あたりの利用者はバスの乗降客を含めても約8000人と30年前のピーク時に比べ半分まで落ち込んでいる。